氷見高ウニをTシャツに ゴールドウインと連携、秋の販売目指す 地震で死んだ殻で染色
藻場が荒れる「磯焼け」を防ぐため駆除したウニを廃棄野菜で育てる氷見高の養殖プロジェクトで、小矢部市に生産拠点を置くゴールドウイン(東京)と連携し、能登半島地震で死んだ養殖ウニの殻を染色材料にTシャツをつくる新事業が始まった。生徒は駆除ウニの利活用を通じて海洋問題、食料廃棄物問題に取り組んでおり、秋の販売を目指す。 Tシャツはゴールドウインのブランドの一つ「ニュートラルワークス」とのコラボ商品となる。ウニの殻をパウダーにし、タマネギの皮から抽出した成分をベースに染め上げる「オニベジ」の技術を持つ小松マテーレ(能美市)が染色を担う。クリーム色に近い仕上がりとなる。 22日はゴールドウイン事業本部の大坪岳人ニュートラルワークス事業部長が駆除ウニを養殖している氷見市の県栽培漁業センターを訪れ、プロジェクトを進める氷見高海洋科学科の3年生4人に企画について説明した。生徒は美術部員が考えた七つのデザイン案を紹介した。 Tシャツのデザインは生徒の案を参考に同社が手掛け、120枚を生徒用とプロジェクト賛同者用にする。一般向けは無地で、ニュートラルワークスのオンラインストアや東京、大阪の直営店などで販売する。 ●南砺の飲食2店はビール粕、廃棄豆で ニュートラルワークスは、廃棄される物をユニークに再利用する「TOO GOOD TO WASTE」シリーズを昨年から展開する。今回はシリーズの本格的な第1弾となり、南砺市のクラフトビール製造・販売「ナット・ブリュー」のビール粕、コーヒー店「ヘイズ・コーヒー」の廃棄豆も使用する。 プロジェクトリーダーの岩﨑凪一さん(17)は「ウニにこんな利用方法があると知らず驚いた。今後も養殖を頑張り、活動の輪が広がって氷見が盛り上がればうれしい」と話した。