阪神の内野はサバイバルか不透明か。キャンプ初日の一塁守備に誰が入る?
この内野サバイバルをポジティブに捉えるならば、競争を勝ち抜いた選手が一塁を守るというプランも“あり”なのかもしれない。外野は、FA糸井の加入で、ほぼ固定しているだけでに内野の競争がチームを活性化させる可能性もある。だが、見方にとっては、不透明なチーム指針とも言える。 元千葉ロッテの評論家の里崎智也氏も、「キャンプでの準備がなければ、公式戦で、やったことのないポジションをいきなり守ることは難しい。鳥谷にしても、ショートだけでなく、セカンドもやっておくべきだし、あらゆるケースを想定してキャンプでの準備が必要でしょう。ただキャッチャーに関しては、キャンプでやるべき仕事が非常に多いポジション。まだまだキャッチャーとしての技術を磨かねばならない原口が一塁も兼任でキャンプを過ごすのは厳しいのかもしれない。すべてが中途半端に終わる危険性もある」という意見。 確かに原口にキャンプでキャッチャーと一塁の兼任を準備させることは重荷になるのかもしれない。ブルペンでボールを受け、キャッチャーの基本技術、バッティング練習に加えて、一塁のノックやフォーメーションまで課せられるのは過酷だ。巨人の阿部慎之助のようにキャッチャー技術が出来上がっている選手ならば一塁兼任も難しくないだろうが。それでも原口一塁が選択肢のひとつにあるのならば準備は必要だろう。 また昨季、大不振に陥った鳥谷にしても、二塁でも、一塁でも、“行け”といわれた際に、スムーズに守れる用意は、キャンプの時点で行っておくべきである。そもそも、4年前のWBCでは遊撃は巨人の坂本勇人で鳥谷は二塁を守っていたのだ。 内野サバイバルは、最低限の守備力を条件に、打撃優先の競争となることは間違いない。そこをどう見極めるかの首脳陣の決断力、マネジメント力も問われる。まずは空白の一塁の大本命である原口の動向も含めてキャンプ初日にどんな配置でシートノックが行われるかに注目したい。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)