「103万円の壁」合意、立憲民主は存在感の発揮に苦慮…党幹部「協議に加われずもどかしい」
自民、公明、国民民主3党が「年収103万円の壁」見直しで合意したことを巡り、立憲民主党が存在感の発揮に苦慮している。「年収の壁」対策の必要性は認めるものの、来夏の参院選をにらみ、与党との対決姿勢を明確にする必要があり、3党協議には距離を置かざるを得ないためだ。 【図解】一目でわかる…「103万円の壁」を巡る与党と国民民主の駆け引き
立民の大西健介・党税制調査会長は20日の党会合で自公が国民民主とのみ協議を進めていることについて、「一部の野党とコソコソ話すのではなく、野党第1党に正面から協力を求めるのが筋ではないか」と不快感を示した。
立民は、社会保険料負担が生じる「130万円の壁」の見直しを重視し、先の衆院選でも壁の見直しを公約に掲げた。13日には壁による働き控えを解消する対策法案を衆院に提出した。
立民の戦略は、与党との事前協議を否定し、「国民に見える形で丁寧な議論を行う」(野田代表)ことで対立軸を明確化することだ。小川幹事長は20日、「3党間の事前の談合ではなく、国会の場で議論を進めるべきだ」と取材に強調した。
もっとも、自公国協議の進展で立民は埋没気味となっており、幹部は「代表の考えがあるので協議には加われず、もどかしい」と漏らした。
一方、日本維新の会は、先の通常国会で調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)などに関する合意がほごにされたとして、自民に反発を強めたままだ。馬場代表は「自民党が旧文通費に関する合意を履行しない限り、与党との協議に協力はしない」と取材に述べ、12月1日に決まる新代表にもこの姿勢を維持するように求める考えを示した。
共産党の小池書記局長は「所得税の見直しは否定しないが、財源も含めた税制全体を見直す議論が必要だ」と取材に語った。