人生を楽しむ低身長症女性と嘆く年収9億円の若者の違い 仕事が楽しくなるヒント
「IT技術を使いこなせない」「昇進を逃した」「大口の取引先を失った(さらには、クビになった?)」「テレワークが終わって出社勤務になってしまった」……など職場でのストレスは尽きない。若い世代なら、形式を重んじてあらゆることに時間がかかる会社の古い体質と頭の固い上司にフラストレーションを感じているかもしれない。しかしベテラン社員であれ新入社員であれ、人は仕事をしている限り、誰もが「落ち込み」を経験する。 新たな価値観や技術が次から次に押し寄せる2024年の職場環境を考えると、ワーキングパーソンがメンタルヘルスを保つためには、レジリエンス(精神的回復力、何が起こっても立ち直る能力)が不可欠だ。それは、未知の課題に挑戦しつつ、過去の克服体験に学び、失敗を恐れず、むしろ「失敗は成功のもと」と肯定的に捉えるメンタリティである。 ■視点を変えることで、人生が変わる レジリエンスは誰でも養うことができるが、生まれつきレジリエンスの高い人もいる。例えば、多くのプロスポーツ選手は元来強靭な精神力を持ち、ストレスをほとんど感じず、変化にもすばやく順応できる。一方で、生まれつき指摘や批判に弱い人もいる。 自伝『Looking Up』の著者で、Caterpillar(キャタピラー)財団の理事長を務めた私の友人、ミシェル・サリバンは低身長症(いわゆる小人症)で、日常生活に大きな困難を抱えていた。そんな彼女が私にこんな話をしてくれたことがある。「あなたにとって、知らない誰かがドアを開けてくれることは『親切な行為』でしょう。でも私にとっては、『必要な行為』です。自動ドアでない限り、私は自分ではドアを開けられません。私はいつも誰かに何かをお願いしないといけないのです。でもその現実を受け入れた時、人生が劇的に変わりました。それまで辛い障がいと捉えていたものが、視点を変えると『機会』になったのです。私は今、これを『ルッキング・アップ』哲学と呼んでいます。私はそうやって毎日を生きています」