西武・秋山「頭が真っ白」でサイクル逃す
西武の秋山翔吾外野手(27)が26日、西武ドームで行われた日ハム戦でサイクル安打に残りシングルヒット1本と王手をかけながら2打席凡退、惜しくも史上64人目の快挙を逃した。 初回に先頭打者として、右翼線を破りサイクル安打で最も難しいと言われる三塁打。三回の続く第二打席では、左中間に7号ソロ。ベンチ前で出迎えた田辺監督から「サイクルいっちゃえ」とハッパをかけられた。 「次の1本が出ないことには、意識はしていなかったのですが、(次打席で二塁打が出たことで)ちょっと(プレッシャーで)追い込まれましたね」 6回の第4打席。斎藤佑樹の代わり鼻に三塁線を破る二塁打で、あっさりと王手。しかも、打線は球威もコントロールも甘い佑ちゃんに浅村、森の一発を含む6連打を浴びせるメッタ打ちで、なんと、打者が一巡してその回、秋山に5打席目が回ってきたのである。 たが、力んだ。ひっかけてファーストゴロ。8回に運よく6打席目が回ってきたが、カウント3-1からライブリーのストレートに差し込まれてセカンドゴロ。苦笑いの秋山は「最後の2打席は、頭が真っ白になった」と、サイクル安打のプレッシャーに潰されたと振り返った。 もし達成していれば、昨年9月2日の巨人戦で広島のロサリオが達成して以来の快挙。西武では、2004年の細川亨以来、11年ぶりの大記録となるところだった。 それでも、この日、また3本の固め打ちで、月間、8度目の猛打賞。これはイチローら複数人が成し遂げているプロ野球最多タイ記録。ヒット数を118として、連続試合安打を18に延ばした。打率も3割8分台をキープ。シーズン最多安打記録更新に突き進んでいる秋山ならば、またサイクル安打達成のチャンスが巡ってきてもおかしくない。 しかし、秋山は、「ホームランが出るのもなかなか(難しい)ですし、三塁打はもっと少ないですし、雄星のノーヒットノーランではありませんが、次のチャンスはなかなかないと思います。明日から、またコツコツがんばります」と、ショックのあまり、12日の中日戦で、あと2人でノーヒットノーランを逃した菊池雄星を引き合いに出して、白旗を上げた。 本人はしきりに苦笑いを浮かべていたが、覚醒したリードオフマンの活躍はファンに支持されていて、この日、発表された球宴のファン投票では、32万8418票を集め外野部門2位で初選出された。 「素晴らしい選手が集まる舞台なので楽しむのが目的ですが、うちからは、大阪桐蔭のロングヒッターばかりなので(中村、浅村、森)、僕はコツコツと頑張りたい」 ここでもコツコツを強調していたが、そのコツコツが偉大な記録を運んできそうだ。