退職金が「1200万円」あります。住宅ローン残債があるなら、一括返済したほうが良いでしょうか? どのようなデメリットがありますか?
退職金としてまとまったお金が手に入った際に、住宅ローンの一括返済を検討する人もいるでしょう。しかし、無理に一括返済をすることで、その後の生活が苦しくなってしまう可能性もあります。 本記事では退職金を使って一括返済をするメリット・デメリットについてみていきます。一括返済に向いている人の特徴についても解説するのでぜひ参考にしてください。
退職金を使って住宅ローンを一括返済するメリット
退職金を住宅ローンの一括返済に充てる場合のメリットは主に次の2つです。 ●毎月の返済がなくなる ●利息負担が軽減される 次項で詳しくみていきましょう。 ■毎月の返済がなくなる 退職金を使って住宅ローンを一括返済することで、月々の返済がなくなり、家計状況が改善されるでしょう。 定年退職して年金生活になった場合、現役時代よりも大幅に収入が減ることが想定されます。老後における夫婦2人分の標準的な年金額は約22万5000円です。仮に現役時代の月収が50万円の人であれば半分以下に減ることになります。次の条件で住宅ローンを組んだ場合の毎月の返済をみてみましょう。 ●年齢:45歳 ●住宅ローン:5000万円 ●返済期間:35年 ●返済方法:元利均等 ●金利:1% この条件で住宅ローンを組んだ場合の毎月の返済額は約14万円です。毎月の年金受給額が22万円5000円として、そこから14万円を差し引かれると、残り8万5000円でやりくりする必要があります。 もし、繰り上げ返済をして住宅ローンを完済すれば、毎月の返済負担14万円がすべて手元に残ることになり、アルバイト等をしなくても老後生活を送りやすくなるでしょう。 ■利息負担が軽減される 退職金を使って住宅ローンの一括返済をすれば、将来支払う予定だった利息を軽減できます。 特に、固定金利で住宅ローンを組んでいる人は、変動金利よりも利息負担が大きくなりやすいため、一括返済による利息軽減効果が高くなります。変動金利においても利息負担の軽減効果が得られるほか、今後の金利上昇リスクを考慮した場合、一括返済しておくことで精神的な安心にもつながるでしょう。