【報知映画賞】助演男優賞・奥田瑛二が感慨「こういう賞は娘のサクラや佑たちに受け継いでいくんだと思っていて…」
「第49回報知映画賞」の表彰式が16日、都内で行われた。 「かくしごと」(関根光才監督)で認知症を患う父親役を演じ、助演男優賞に輝いた奥田瑛二は渋いスーツで登壇。花束を持って「かくしごと」で自身の娘役で主演の杏が登場すると一旦、照れたように袖に行く素振り。ツーショット撮影になって、やっと笑顔を浮かべた。 【動画】華やかなメンバーが集まった表彰式 パリから駆けつけた杏に「聞いてなかった。ビックリした。よく来れたね、フランスから」と声をかけると、「感無量で何も言えない」とポツリ。 杏に向かって「あなたのお父さんの渡辺謙とは長い付き合いで謙ちゃんって呼んでるんだけど、いやあ、渡辺謙の娘と共演なんて自分のウチの(安藤)サクラと共演するより緊張したんだよ」と回顧した。 その上で報知映画賞について「僕は今、74ですけど、30歳の時に新人賞にノミネートされたんですよ。その頃、(今回、主演男優賞の横浜)流星君のようにきれいでかわいい顔をしてたんだよ。その時は小林薫さんに取られたけど、それ以来、報知新聞の賞との縁はサクラや桃子がもらっても僕は縁がなかった」と報知映画賞は次女の安藤サクラ(38)が第37回(2012年)の助演女優賞(「愛と誠」「その夜の侍」)、長女・安藤桃子さん(42)が監督作「0・5ミリ」で第39回(14年)の作品賞と先を越されたことについて、チクリ。 その上で「自慢じゃないけど、報知映画賞以外は僕、全部持ってます」と言い放って会場を爆笑の渦に。 再び杏の方を見ると「良かった~! 娘が応援に来てくれて泣きそうになりました。ありがとう。本当、最近で一番うれしい」と笑顔を浮かべたベテラン俳優。 「この年になって俳優の賞をいただけるとは思ってなかった。でも、うれしい。こういう賞は娘のサクラや(義理の息子の柄本)佑たちに受け継いでいくんだと思っていて。あきらめ切れないけど、あきらめていたから」と華麗なる一族の長は正直な思いを明かしていた。 ◆かくしごと 絵本作家の主人公(杏)が、認知症の父(奥田)の介護のために帰郷する。長年交流のなかった父との暮らしに戸惑う中、事故で記憶を失ったらしい少年(中須翔真)に遭遇。体に虐待と思われる傷があった少年を守ろうと自分が母親だと嘘(うそ)をついて暮らし始める。原作は北國浩二氏の小説「嘘」。 ◆奥田 瑛二(おくだ・えいじ)1950年3月18日、愛知県生まれ。74歳。天知茂さんの付き人を経て、80年代にドラマを中心に活躍。86年「海と毒薬」で映画初主演。「棒の悲しみ」(94年)でブルーリボン賞主演男優受賞。2001年に「少女」で監督デビュー。次女・安藤サクラの夫は俳優の柄本佑。
報知新聞社