92億ドルの「メガデット」案件、ウォール街待望の大型LBO復活の兆し
(ブルームバーグ): 建築資材メーカーのクイックリート・ホールディングスによる同業のサミット・マテリアルズ買収を支援するための92億ドル(約1兆4000億円)の債務パッケージは、ウォール街が待ち望んでいた大型買収の復活が間もなく実現する兆しだ。
この資金パッケージは、連邦準備制度が利上げを開始して低金利時代を終結させた2022年以降で最大規模のものの一つだ。25日の提出書類によると、ウェルズ・ファーゴが67億ドルのつなぎ融資を含む資金提供をコミットした。
銀行は買収向けの資金を一時的に提供して多額の手数料を得る。その後、りレバレッジドローンやジャンク債市場で機関投資家に融資債権を売却する。
銀行は買収資金の融資をめぐってプライベートレンダーと常に競争しているため、資金コミットメントは銀行にとって勝利と見なされる。一方で、後で債権を売却できず、いわゆる「ハングデット」を抱えるリスクがある。
シンジケートレバレッジドファイナンス市場とプライベートクレジット業界は、投資家が求める投資先を提供するために大型レバレッジドバイアウト(LBO)の復活を待望してきた。買い手と売り手の評価額の相違や、依然として比較的高い資金コストなどから、LBOの復活は遅れている。
しかし、特にドナルド・トランプ氏のホワイトハウス復帰をにらみ、2025年の市場復活の可能性についてより楽観的な見方が強まった。
ウェルズ・ファーゴの広報担当者はコメントを控えた。クイックリートの広報担当者はコメント要請にすぐには回答せず、サミットはコメントはないとしている。
クイックリートのパッケージには、15億ドルの資産担保型リボルビング信用供与枠も含まれている。銀行は通常、このタイプのローンは保持し、機関投資家向けにシンジケートすることはしない。
原題:Mega Debt Deals Return With Quikrete’s $9.2 Billion Financing(抜粋)
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Paula Seligson, Jeannine Amodeo