DMC aizuの遠藤社長(福島県猪苗代町出身)、古里の観光振興への挑戦語る 水曜会例会
郡山経済研究会(水曜会、森一彦代表幹事)の第403回例会は21日、福島県郡山市の郡山ビューホテルアネックスで開かれた。ISホールディングス(東京都)、DMC aizu(福島県猪苗代町)の社長遠藤昭二さん(猪苗代町出身)が「地域活性化を図るDMC aizuの取り組み」と題して講演した。 遠藤さんは会津工高卒。石油精製会社、コンピューターソフト会社を経てITソフトウェアシステム会社を創業。2008(平成20)年にISホールディングスを設立し、証券、不動産賃貸、カーシェアリング、発電など多方面の事業を順次展開している。 2020(令和2)年にDMC aizuを創業。猪苗代町の猪苗代スキー場やホテルヴィライナワシロ、会津磐梯カントリークラブ、猪苗代観光ホテル、猪苗代リゾートホテルなどを買収し、同町をはじめとする地域の活性化・発展を目指す事業を展開している。 猪苗代スキー場では近代化を進め、スキー客を買収前の3倍程度まで増加させた。夏季も磐梯山登山リフトを稼働し、バーベキュー施設などで集客に成功させている。町内の磐梯山麓に展望施設「会津スカイテラス(仮称)」を建設中で、2025(令和7)年秋完成を目標にしている。遠藤さんは「稼ごうという会社ではない。多くの観光客を呼び、地域経済を立て直したい。今後も投資のスピードを上げていく」と決意を語った。
買収した企業はいずれも引き継いだ時点で赤字だったとして「同じことをやっても、同じように赤字になるだけ。毎年、何か仕掛けていかなければならないと社員に指示している」と改革の重要性を強調。その上で「どこの会社でも新しいことを嫌う抵抗勢力はいる。そういう社員を抑えながら、イノベーションできる会社が成長できる」と語った。 経営理念として「会社は未来予想の勝負」と話し、「将来成長するのは何か」「衰退、繁栄するサービスは」などを考えながら、「到達点を見据えながら、今やるべきことをやる」との考え方を示した。さらに「会社は『未完成』にしておく。トップが常に課題をつくり、社員に与え続けることによって、新たな将来像をイメージさせる。いつも未来に希望がある状態にする」とも語った。 (郡山版)