フェミニズムの先駆者たちを撮った映画、劇場公開へ
女性の社会での活躍への期待が高まる中、日本のフェミニズム活動を長年リードしてきた女性たちにスポットを当てた映画「何を怖れる~フェミニズムに生きた女たち~」の上映会が11月10日、東京都千代田区の参議院議員会館講堂で開かれた。参加者は、女性の地位向上のために尽力してきた先人たちに感謝しつつ、これからの女性活躍について意見を交わした。 上映会に先立ち、「女性活躍のために今こそ!」と題したトークセッションが行われた。この映画を監督した松井久子さんと、元ヘリテージ財団上級研究員の横江公美さん、ジャーナリストの治部れんげさんが意見を交わした。コーディネーターは西田陽光さん(次世代社会研究機構代表理事)が務めた。 トークでは、かつての女性たちを取り巻く環境が、現代とは比べ物にならないほど厳しかったことなどが指摘され、現役の子育て世代の治部さんが「私は仕事と家庭を持つことができている。祖母、母の世代の頑張りのおかげ」と語るなど、映画に登場する女性たちをたたえる意見が相次いだ。 監督の松井さんは、「日本のフェミニズムは、男性と同等の権利の主張ではなく、女がきちんと生きるという、根源的な女性の人生を考える運動だった。映画をきっかけに、もう一度、生きるとはどんなことなんだろう?どうしたら解放されてよりよく生きていけるだろう?と考えるきっかけになってほしい」と話した。 試写会の後には、上野千鶴子さんと福島瑞穂さんの対談も行われた。 ドキュメンタリー映画「何を怖れる」は、1970年代から始まったウーマンリブ運動に携わった60~80代の女性14人にインタビューした作品。2015年1月17日~2月6日に渋谷シネパレス、2月7日~20日に横浜シネマリンでそれぞれ劇場公開される予定。