中国の対外貿易に安定化の兆し 専門家が指摘
【東方新報】中国の対外貿易は10月に前年比での成長を記録し、7月以来続いている縮小傾向が緩和され、一連の支援策のおかげで世界第二の経済体である中国の着実な安定化の兆候が見られると、関係者やアナリストたちは述べている。また、世界市場が祝祭シーズンによる消費ブームを迎え、ベース効果が徐々に弱まり、世界経済の回復に必要な勢いが注入されるにつれて、国の対外貿易実績は今後数か月間改善し続けるという。 10月の中国の対外貿易の総額は3.54兆元(約73兆4458億円)で、前年比0.9パーセント増加した。昨年と比較して、輸出は3.1パーセント減の1.97兆元(約40兆8724億円)、輸入は6.4パーセント増の1.57兆元(約32兆5734億円)だ。これは11月7日に中国税関総署から示されたデータだ。 中国の対外貿易部門では最近、より好ましい動きが見られ、10月の商品貿易の年間成長につながっていると、税関総署の報道官である呂大良(Lv Daliang)氏は述べる。 税関総署が行った最新の貿易繁栄調査を引用して、呂氏は輸出入の将来の成長に対して楽観的な企業の割合が上がっており、中国の外国貿易は上向きの軌道を続けるだろうと話した。 中国光大銀行のアナリスト周茂華(Zhou Maohua)氏は、10月の輸入統計が3月以来初めて米ドルベースでプラス成長を記録したことは、内需が徐々に回復していることを示している、と述べた。 国際通貨基金(IMF)は、中国経済が2023年に5.4パーセント成長すると予測しており、約5パーセントの成長目標を達成すると見込まれている。 IMFの第一副専務理事であるギータ・ゴピナート(Gita Gopinath)氏は、第3四半期の生産高が予想を上回ったことや最近の政策発表を反映し、10月の5パーセントから上方修正されたと述べた。 李強(Li Qiang)首相は、上海市で開催中の第6回中国国際輸入博覧会(輸入博、CIIE)の開幕式で、世界の商品見通しが暗く、保護貿易主義が強まる中、中国は市場アクセスをさらに拡大し、輸入を増やすと述べた。 北京市が開放を進めるというコミットメントを繰り返し、李首相は、今後5年間における商品およびサービスの輸入総額が累計で17兆ドル(約3527兆円)に達すると話した。 世界経済の下押し圧力と地政学的緊張の高まりは、依然として中国の輸出活動の足かせとなっているものの、製造業部門のアップグレードに向けた中国の継続的な努力により、輸出構造は改善していると専門家は指摘した。 智信投資研究院(Zhixin Investment Research Institute)の上級研究員である常然(Chang Ran)氏は、厳しい外部環境とさえない世界需要に直面する経済において厳しい課題が残っているため、10月における中国の輸出の前年同月比減少幅は9月に比べて2.5ポイント拡大したと述べた。これは、輸出回復の基盤がまだ完全に確立されていないことを示唆していると話す。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。