『おむすび』風見は『虎に翼』花岡に続く“紳士的”な男子 ヒロインの初恋相手を振り返る
NHK連続テレビ小説『おむすび』のヒロイン・結(橋本環奈)は、高校入学早々、家族やひょんなことからメンバーとなった「博多ギャル連合(ハギャレン)」に振り回されている。パラパラを練習することになるわ、家の門限を破り怒られそうになるわ、「毎日平和に過ごせればいい」と思っていたはずの結は、かなり高校生活を楽しんでいる。そんな結をさらにワクワクさせているのが、書道部の先輩・風見(松本怜生)への恋心だ。 【写真】風見先輩(松本怜生)と結(橋本環奈)が急接近 もともと高校生になっても部活動はせず、家業である農業の手伝いをしようと思っていた結。だが、高校に入って最初に友達になった恵美(中村守里)が入部していたことをきっかけに書道部を訪問し、風見先輩と“運命の出会い”を果たす。一目見ただけで風見先輩にキュンとしてしまった結は、自己紹介もまともにできない状態になってしまう。しかも、目線を合わせる形で「書道に興味ない?」と言われた後、優しく微笑まれ「俺と一緒に書道せん?」と誘われる。断るなんてもったいないし、できるはずがない。結はあれよあれよという間に半紙に向かって筆をもち、名前をしたためていた。 主人公の生涯をドラマにする朝ドラでは、初恋が描かれることも多い。特にヒロインの初恋男性は、スマートでちょっとミステリアス。それに、関係性が深まってくるとヒロインにしか見せない顔も出てきてとても魅力的だ。 『虎に翼』(2024年度前期)のヒロイン・寅子は、一目惚れこそしなかったものの、一緒に高等試験を目指し、学生生活を過ごす中で同期の花岡(岩田剛典)へ初めての恋心を抱いていく。むしろ花岡が最初に寅子に惚れ、その好意を隠さなかったことから寅子も自らの気持ちに気づいていったとも言える。爽やかで紳士的な振る舞いを見せる花岡は、寅子を“大切な人”として扱いつつ、裁判官試験に合格した際には興奮した様子で寅子に連絡してくるなど寅子には子どもっぽく素直な一面も見せていた。 『カムカムエヴリバディ』(2021年度後期)の安子(上白石萌音)は、店番をしていた時に偶然やってきた稔(松村北斗)と出会った。地元にはいなかった“大学生”という大人の雰囲気を漂わせる稔。そんな彼と少し話しただけでも安子は照れた表情を見せたが、別の日に会った稔は安子の前で流暢な英語も話してみせた。これをきっかけに安子は英語にも稔にも急速に惹かれ始める。余談だが安子は、あんこの美味しい御菓子司「たちばな」の看板娘であることから幼なじみの勇(村上虹郎)に名前をもじって「あんこ」と呼ばれていた。なんだか陽太(菅生新樹)からやはり名前をもじって「おむすび」と呼ばれている結に近いものを感じる。 結が恋をした風見先輩は、結の字を見ただけで「何か抑え込んでいるものがある」と言った。自分がよく知らない書道に精通して、賞を取るなど活躍しているというだけで十分かっこいいのに、加えて自分の気持ちを考えてくれているような風見先輩はもっとカッコいい。それに、結に対して優しいということは、少なくとも風見先輩は“脈なし”ではないということにも感じられる。 10月16日放送の第13話で結は恵美から、風見先輩の“好みの女性像”がまるで結のことのようだったと聞かされる。結のドキドキが徐々に加速していく様子が伝わってくるようだが、この初恋の行方はどうなるのだろうか。
久保田ひかる