「地味飯」写真SNSでなぜ人気?映え疲れを癒やすおすすめレシピ
肉じゃが、焼き魚などの写真をSNSに投稿
色鮮やかで「インスタ映え」する食べ物写真は、SNSの華であり、投稿の定番といえるでしょう。ところが、最近「地味飯」なるハッシュタグがじわじわと勢力を広げ、投稿数は10万件を超えています。見栄えはあまりよろしくないものの、手軽に作れておいしく、しかも安い。実はいいとこだらけの地味飯の魅力やおすすめレシピについて、料理研究家のもあいかすみさんに聞きました。 SNSをのぞくと、「#地味飯」として投稿されているのは、肉じゃがや焼き魚といった身近なメニューの数々です。もあいさんは、「手間がかかる豪華な料理ではなく、少ない調味料とリーズナブルで手に入りやすい食材、時短できる電子レンジなどを活用して作った、簡単なのにおいしい料理」を地味飯と位置付けます。 地味飯が注目されるようになったのは、2020年のコロナ禍以降のよう。外食を控え自宅で料理を作る家庭が多くなったことに加え、近年の物価高も影響しているといいます。 「映える料理もたまになら頑張って作れるかもしれませんが、自宅で毎日作るのは難しいですよね。食材や電気・ガス代なども高騰している中、食費の節約や節電にもなるので、人気が出たのではないでしょうか」。地味飯に光が当たる理由をそう分析します。
最大の魅力は、料理初心者でも簡単にまねできて、失敗しにくいこと。この利点を下支えしてくれる強い味方が、「地味調味料」です。 昔から食卓で親しまれてきた顆粒だしやコンソメなどの風味調味料を、もあいさんは「地味調味料」と呼びます。 「こうした地味調味料を使えば、牛ブロックなどの豪華な食材は必要ありません。ひき肉やサバ缶など手の届く食材で、おいしい地味飯を作れるんです。地味飯に不可欠な『地味すご(地味にすごい)』調味料と言えるでしょう」 調理する際のポイントは、塩加減と焼き加減です。「塩は入れ過ぎると失敗してしまいますが、地味調味料は、量が多少大ざっぱでも、料理全体の味をうまく整えてくれます。また、ワット数と加熱時間をセットするだけの電子レンジを使えば、焦がしてしまうなどのミスもありません」と心強いアドバイス。「無駄な手間やプレッシャーとは無縁に、調理も食事も楽しめます」