悪質なホストクラブに要注意! 被害に遭ってしまったらどうするべき?
ホストクラブでは、お気に入りのホストが親しみを込めた接客をしてくれます。ホストに喜んでもらいたくて、ホストの特別になりたくて、高級なお酒を注文する女性たちもいるでしょう。 近年、悪質なホストクラブで、ホストが若い女性に対してその好意の感情を利用して、飲食などの契約を結ばせて多額の負債を負わせる、という事例が増えています。もちろん、多くのホストクラブは正しい運営を行っています。 しかし、ごく一部では悪質なホストクラブが存在するので注意が必要です。本記事では、悪質なホストクラブで被害に遭った際の対策と防止法について説明します。
不当な勧誘による契約は取り消しできます
消費者契約法では、不当な勧誘によって締結した契約の取り消しを定めています。第4条第3項第6号には、好意の感情を利用した契約(いわゆるデート商法)の取り消しが定められています。ホストクラブでの飲食の契約は、これに当たります。 消費者契約法第4条第3項第6号を読み換えると、次のようになります。 若い女性客が、社会生活上の経験が乏しいことから、ホストに対して恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ、ホストも当該消費者に対して同様の感情を抱いているものと誤信していることを知りながら、これに乗じ、高額のシャンパンの注文をしなければホストとの関係が破綻することになる旨を告げる。 これにより、女性客が困惑して高額のシャンパンの申し込みをした場合、消費者契約法により注文を取り消すことができます(もし、客が18歳未満の場合であれば、法定代理人の同意を得ずに結んだ契約は、民法5条の未成年者取消権により取り消すことができます)。 ここで、ホストが、この契約は恋人同士の間の個人的なやりとり(売掛金の立て替え等)であると主張した場合でも、ホストが事業者に該当し(従業員)、不当な勧誘の要件に該当すれば、その契約は取り消すことができます。 また、ホストクラブの従業員が、勧誘する際に価格や内容を偽って締結させた契約や、客が帰ると言ったのに無理に引き留めて結ばせた契約なども、要件を満たせば取り消しできます。 消費者契約法に定められた不当な取引により契約したものは、事業者に対して取り消しの意思表示をすることで、契約の取り消しができる可能性があります。まず、事業者に契約の取り消しを主張することが必要であり、その後は当事者間で解決する必要がありますが、最終的には司法の場で判断されます。