豪快湯切り 山里から再生願う
「遠山の霜月祭り」始まる 長野県飯田市の遠山郷
飯田市の遠山郷(上村・南信濃)に伝わる「遠山の霜月祭り」(国重要無形民俗文化財)が2日、南信濃小道木の熊野神社と上村中郷の正八幡宮を皮切りに始まった。日照時間が短くなり、草木が枯れる旧暦11月(霜月)に生命の再生を願い半日以上かけて神楽を舞う。遠山郷各地区の8神社で15日まで行う。 【表】遠山の霜月祭りの日程 12月15日まで 熊野神社では3年ぶりに観客を制限せず開催。有志や氏子らが近くの遠山川からくんだ水をかまどで沸かし神楽を歌いながら神々にささげる「湯立て」が続き、日没後に大天狗などの面(おもて)を着けた住民の舞が始まると盛り上がりは最高潮に。湯気が立ち上る釜の湯に手を入れ豪快にはじく「湯切り」が披露され、集まった人たちは身を乗り出して見ていた。 今年は中高生が舞だけでなく湯立てにも参加した。かけ声を出す「禰宜(ねぎ)様」役を務めた遠山中2年鳴沢元気さん(13)は「手順を覚えるのが大変だったが、周りの盛り上げで楽しくできた」と話した。