特定秘密保護法、成立から10年 「知る権利」侵害に懸念
機密情報の漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法は6日、成立から10年を迎えた。安全保障上の機密情報を適正に管理し、米国や関係国との情報共有を促進する目的で法制化された。2014年12月の法施行以降は自衛隊の漏えいが発生するなど、不適切な情報管理体制が露呈。国会の監視機能も十分とは言い難く、国民の「知る権利」侵害につながりかねないとの懸念は残ったままだ。 特定秘密保護法は13年12月6日に成立した。政府が安全保障上の秘匿が必要と判断した情報を「特定秘密」に指定し、公務員らが漏らした場合は最高10年の懲役とする。第2次安倍政権が外交・防衛政策を統括する「国家安全保障会議(NSC)」を発足させるのに合わせ、効果的な運用を図る狙いがあった。 松野博一官房長官は6日の記者会見で「日本の情報保全制度の信頼性が高まり、関係国から核心に迫る情報が得られるようになった」と評価。北朝鮮のミサイル動向などで日米の連携がスムーズになったと強調した。
特定秘密は6月末時点で13行政機関の計735件に上り、増加の一途をたどる。