アルファベット、売上高は予想上回る-クラウドの成長にAI寄与
(ブルームバーグ): グーグルの親会社米アルファベットが25日に発表した1-3月(第1四半期)決算では、売上高がアナリスト予想を上回った。クラウド・コンピューティング部門の成長が寄与した。
1-3月期の売上高はパートナーへの支払いを除いたベースで676億ドル(約10兆5000億円)と、ブルームバーグが集計したアナリストの予想平均661億ドルを上回った。純利益も1株当たり1.89ドルと、ウォール街の予想(1.53ドル)より良かった。
同社はまた、初めての配当を発表し1株当たり20セントを支払うとした。自社株買いを700億ドル追加することも明らかにした。株価は時間外取引で一時13%上昇した。
他の大手ハイテク企業同様、アルファベットも人工知能(AI)の開発に資金を投じている。この戦略は同社のクラウドサービスの需要促進に貢献し、同事業の1-3月期売上高は28%増加した。
グーグルは、現在のAIブームで使用されている基礎技術の多くを開発しており、ウェブ検索から「Google Docs」などの企業向けソフトウエアに技術を組み込んできた。
ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)兼最高投資責任者(CIO)は電話会見で記者団に対し、「AIが当社クラウド顧客にもたらす恩恵にすっかり興奮している。AIソリューションズからの貢献が増えた」と述べ、グーグル・クラウドの業績は「業界全体の強さを如実に反映している」と指摘した。
グーグル・クラウドの売上高は96億ドル。同部門の利益は9億ドルで、アナリスト予想の6億7240万ドルを大きく上回った。
しかし、オープンAIの対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」が2022年後半にリリースされて以降、グーグルは新たな生成AIツールの展開でマイクロソフトやオープンAIに後れを取っていると受け止められてきた。他のウェブサイトへのリンクを提供するのではなく会話調で質問に答えるChatGPTのような人気チャットボットの登場は、検索分野で20年にわたり優位を保ってきたグーグルにとって脅威だ。中核の収益マシンから売り上げを奪うことなく生成AI分野で競争していく困難に同社は直面している。