パリ五輪マラソンコース、いだてん記者の「完走解説」<2>…エッフェル塔を半分上る難コース
パリ五輪開幕まで26日で1か月となった。最後の2日間に行われる男女マラソンは、オペラ座やルーブル美術館など華やかな中心地を巡った後、郊外のベルサイユ宮殿を経て市街に戻るルートで行われる。行きと帰りの2度、急坂を乗り越えるコースは、五輪史上最もタフと言われる。学生時代、箱根駅伝に3度出場した近藤雄二編集委員が、過酷な42・195キロを実際に走ってリポートする。(写真と動画は守谷遼平撮影) 【動画】いだてん記者の「完走解説」動画
セーヌ川渡り23キロ付近まで
15キロ付近からは、3キロほど上り基調が続く。19キロ過ぎ。長い直線の上りは脚にも精神的にもきつい。20・3キロ、標高183メートルのコース最高点に達した。スタート地点から高低差約150メートル、エッフェル塔の半分ほどの高さを上ってきた。
直後は急な下りで一気に加速する。傾斜は徐々に緩み、23キロ付近のベルサイユ宮殿に到達した。
こんどう・ゆうじ 1968年生まれ。早大で箱根駅伝3度出場。2024年別府大分毎日マラソンで2時間50分8秒。昨年は箱根駅伝10区間を走り、夕刊と読売オンラインでコース紹介を連載。
「日本人にも十分可能性」
日本勢は男子の小山直城(ホンダ)、赤崎暁(九電工)、大迫傑(ナイキ)、女子の鈴木優花(第一生命グループ)、一山麻緒(資生堂)、前田穂南(天満屋)の6人が出場する。
昨年、パリのコースを試走した小山は「力勝負では海外選手に負けてしまうかもしれないが、アップダウンや暑さの要素があるので、日本人にも十分可能性がある」と、難易度の高さを前向きに捉える。
赤崎は今年2月、起伏のあるところが「少しパリのコースに似ている」という青梅マラソン(30キロ)に出場して優勝し、「いい予行練習になった」と手応えを口にした。
同じく青梅マラソンで優勝した一山は「しっかり練習を積めば坂道でも力強い走りができると思うので、いい状態でスタートラインに立てるように準備をしていきたい」と気を引き締めた。