今年は献花後に紙芝居 市部瀬の惨劇後世に伝え 5月8日に慰霊(千葉県)
鋸南町下佐久間で、米軍戦闘機P51が列車を機銃掃射、死者13人、負傷者46人を出した「市部瀬の惨劇」を後世に伝え、平和を祈念する活動を続ける団体が、今年も5月8日当日に現地で献花する。今年は新たに紙芝居をつくっており、献花後に現地でお披露目される予定。 昭和20(1945)年5月8日に起きた。安房鴨川行きの下り列車が午前11時50分ごろ、現在の「麺やすみよし」辺りを通過した際、P51が3機、北の空から飛来し、先頭の機関車を銃撃。立ち往生した列車に、2機目の米軍機が機銃掃射した。乗員・乗客を直接射抜き、死者・負傷者合わせて59人の惨劇となった。現地の小字から、市部瀬の惨劇と呼ばれる。 県内の戦争被害では犠牲者が多いため、関係者がこの史実を後世に伝えようと2011年に、石碑「恒久平和祈念の碑」を建立した。慰霊のため、毎年当日の同じ時刻に関係者が集まり、花をささげている。 主催は「明日の鋸南町を考える会」で、会長の岡村妙子さんらが紙芝居を企画した。史実に忠実なストーリーで、視覚からも惨劇を振り返り、平和への思いを強める。 当日は午前11時集合。慰霊碑前で献花する。雨天でも献花は行われるが、紙芝居は中止となる。