秋場所十両優勝の尊富士関、にじみ出る人柄の良さ…「恩返しができて良かった」まずファンへの感謝
大相撲の秋場所で、ある十両力士の姿勢が印象に残った。 【写真】鳥栖市での宿舎開設への思いを語る中村親方
13勝2敗で十両優勝を果たした尊富士関(25)だ。今年の春場所で110年ぶりとなる新入幕優勝を果たしたものの、足首などのけがもあって休場が続き、十両に落ちていた。
秋場所では初日から9連勝を飾るなど力強い相撲を見せ、千秋楽を前に優勝を決めた。千秋楽も白星で締め、記者団に囲まれた尊富士関は「恩返しができて良かった」と、まずファンへの感謝の気持ちを強調した。
逆境の中でも稽古を積み、本場所で戦える心と体をつくってきた。「休んだつもりはなかった。だからこそ、成績がついてきた」と、自信に満ちた表情で語った。
短い言葉で伝える力士もいれば、ユーモアたっぷりに話す力士もいる。それぞれ魅力的だが、丁寧に語る尊富士関に、人柄の良さとともにファンの思いを背負っている自覚もにじみ出ていた。(丸山一樹)