被災者「これからどうするのか」 遺族、静かに手を合わせ
能登半島地震の被災地は1日、厳しい冷え込みの中で発生から1カ月の朝を迎えた。時が過ぎても先行きが見えず、疲労をにじませた被災者は「これからどうするのか」とため息をつく。家族を失った人は、静かに手を合わせた。いまだ安否が分からない人もおり、必死の捜索が続く。 前日までの陽気から一転、断続的に雨や雪が降り、風が吹くと身を震わせる寒さに。石川県輪島市河井町でビルが倒壊し、住宅を兼ねた居酒屋が巻き込まれた現場では、店主楠健二さん(55)が、がれきの前にしゃがみ線香を上げていた。 自宅にいた妻と長女が亡くなった。楠さんは「まだ昨日が1月1日みたいな気持ちで、切り替えられない。2人に毎日謝っている」と悲痛な胸の内を語った。 大規模な火災が起きた輪島朝市。惣領和彦さん(53)の自宅は跡形もなく、陶器の食器類だけが見つかった。「残ったのはこれだけ。やりきれない気持ちだ。育った土地なので、何とか元の場所に住めるようにしてほしい」と訴えた。