「今、ここ」に集中するためのシンプルなルール3つ
野心的に事業を立ち上げようとするスタートアップを支援するベンチャーキャピタルInspired Capitalの創業者として、私は自分の時間のかなりの部分をさまざまな人と会うことに費やしています。 事業の初期段階にある起業家が壮大なアイデアを売り込むのを聞き、同じようなベンチャー投資家と情報交換をし同僚とのミーティングをする、といった具合です。そんな生活の中で、少し前に私にとりわけ印象深い体験がありました。 私は夫と連れ立って、もう1組のカップルとディナーに出かけました。すると2人は、私たち夫婦と落ち合うやいなや、自分たちのスマートフォンをしまいこみ、「私たちは、ここであなたたちと過ごす時間に完全に集中します」という意図をはっきりと示してくれたのです。 そのおかげで、それぞれの近況について存分に話し合い、お互いの今の暮らしぶりについてしっかり知ることができたという満足感と共にディナーの場をあとにすることができました。2人は、完全に「今、ここ」に集中していました。そうした態度は非常に好印象でしたが、それはまたこうした人との接し方が珍しくなっていることの裏返しでもありました。 では、仕事を共にするチームで「今、ここ」に集中して結果を出すにはどうしたらよいのでしょうか?
1. 「サイレントモード」時間を設ける
スマートフォンを駆使し、ソーシャルメディアでつながり、リモートワークが当たり前という今の世の中では、「常に連絡が取れて当たり前」という考えがまかり通っています。 私自身、自分のキャリアを通じて、この「常時接続」状態から、とてつもないメリットを受けてきました。 今挙げたようなテクノロジーによって、スピードアップを図り、これまでにないほどの効率で仕事を片付けてしまえるようになったのは、誰もが納得するところでしょう。 とはいえ、こうした時代の中では、周囲の状況に合わせてギアを即座に切り替え、今行なわれている議論や手元にあるタスクにすぐ集中する能力が、リーダーには必須になっています。 自分の1日を真に実りあるものにしたいなら、「サイレントモード」時間を作り出すよう努力してみましょう。少なくとも30分間、外部からの邪魔がまったく入ることのない、集中できる時間を設けてみましょう。メールやSlack、「メッセージ」アプリの通知をオフにし、さまざまなアラート通知も切ってしまうのです。 やるべきことの優先順位づけを容赦なく行ないつつ、このような場所と時間を設けて、1つのトピックとじっくり向き合えれば、自分にとってもっとも優先度が高いプロジェクトに取り組みやすくなります。 もし30分間では解決できない問題を抱えていたとしても、まったく問題はありません。その問題をより小さく、管理可能な課題の塊に分けて、1つ1つの課題を解決することに集中すれば良いのです。