【MLB】大谷翔平『50-50』達成の次に期待したい日本選手無縁のレジェンド賞
<次々と海を渡る侍たち> 2001年にはイチローさんがメジャーデビューを果たす。日本選手初となる首位打者、盗塁王となり、MVPに輝いた。さらに、イチローさんは2007年のオールスターにおいて史上初となるランニング・ホームランを記録し、日本人として初めてオールスターMVPも獲得した。 2009年には松井秀喜さんが、ワールドシリーズで13打数8安打3本塁打8打点、打率.615の成績を残し、ヤンキース9年ぶりの世界一に大貢献。そして、日本選手として初のワールドシリーズMVPに選出された。松井さんはポストシーズン(以下、PS)で10本ホームランを放っているが、うち3本が同シリーズで飛び出した。 2013年には当時、ボストン・レッドソックスに所属していた上原浩治がリリーフ・エースとして君臨。アメリカン・リーグ優勝決定戦においてMVPを獲得、ワールドシリーズも制覇し日本選手初の胴上げ投手にもなった。 新型コロナ・ウイルスが猛威をふるいシーズン60試合制となった2020年には、ダルビッシュ有が12試合登板、メジャートップタイの8勝(3敗)をマークし、日本選手として初の最多勝の栄冠を手にした。このシーズン、ダルビッシュは防御率2.01でリーグ2位と、惜しくも最優秀防御率は取り損ねた。 大谷は2021年、23年と2度シーズンMVPを獲得。昨シーズンは、アジア出身選手として、初のホームラン王、そしてハンク・アーロン賞を奪取した。
ベーブ・ルース賞とは?
こうして振り返ると、日本選手が獲得していないMLBのタイトルは残り少ない。だが、これまで日本選手がまったく無縁だった賞が存在する。 それが、これまで大谷が常に比較されてきたレジェンドの名を冠した「ベーブ・ルース賞」である。これまであまりにも日本選手にとって縁遠かったせいだろうか、野球好きでも同賞を知らないという方々も少なくないのではなかろうか。 実は2002年まで「ワールドシリーズMVP=ベーブ・ルース賞」であった。この規定のままであれば、09年に松井さんが獲得していたはずだった。しかし03年以降、同賞は「ポストシーズンを通し最も活躍した」選手に与えられる賞となった。 09年シーズン、松井さんは指名打者として定着、PSを迎えた。24年の今日と異なり、当時ナ・リーグはDH制がなく、ナ主催試合では代打出場しかなかった点が響いた。また。ア・リーグ優勝決定戦では、ホームランなし、2打点だったことも影響しただろう。 松井さんの09年のポストシーズンは15試合に出場、打率.349、4本塁打、13打点、5得点。結果、15試合出場し、打率.365、6本塁打、18打点、15得点だったチームメートのアレックス・ロドリゲスがベーブ・ルース賞を獲得した。 上原さんは13年のPS、13試合に登板計7セーブを挙げ、防御率0.66だったが、同賞は16試合に出場し打率.352、5本塁打、13打点、12得点のデイビッド・オルティスに譲った。