「目標値を高めに設定し、文武両道を実践」県立浦和 MF竹林葵【文蹴両道】
埼玉県立浦和高校の昨春の東大合格者は36人で、国公立校では全国で4番目に多かった。東大野球部で活躍したOBには、1984年の東京六大学秋季リーグで首位打者に輝いた立迫浩一、東大の通算最多本塁打6本の記録保持者である草刈伸之がいる。 浦和高校は県下の秀才が勢ぞろいするばかりか、部活動も盛んで往年のサッカー部は栄光に包まれた歴史がある。旧チームからレギュラーのMF竹林葵(2年)に文武両立についてのメソッドなどを尋ねた。 ――サッカー部の練習で消費する時間を勉強ではどう補い、どんな工夫をしているのでしょうか? そうですねえ、理科と社会は授業中に教わったことをその場でマスターするようにして、放課後は英語、数学、国語の予習と復習に重点を置くようにしています。部活動をやっていると、隙間時間を有効活用することがすごく重要だと感じます。例えば通学電車の中では単語帳を使って勉強しますし、授業の合間も使えます。単語テストなど一つ一つの小テストも短い時間の中で仕上げられるように工夫していますね。 ――――昼休みも勉強時間に充てているのですか? いや、昼休みだけはやっていません。図書館に行って(中国戦国時代を描いた日本の漫画)キングダムを読んでいます(笑) ――――1日の勉強時間はどのくらいですか? サッカーの練習がある日は3時間から3時間半くらいで、オフの時は5時間くらいですかね。 ――――現2年生では昨シーズンから唯一のレギュラーですが、さらに勉学に力を入れるため部活動を引退しようと考えたことはありますか? 1度もありません、今年の全国高校選手権予選が終わるまで続けます。やっぱり勉強と部活動の両立には切り替えがものをいうと思います。部活動がオフの日は放課後を自由に使えますから、そういう時って(勉強に向かうまでに)まだ時間があると感じ、1時間くらいは休んじゃおうかな、なんてなりがちですよね。でもサッカーの練習にしっかり取り組むと、自分たちは(部活動をやっていない)他の人たちより時間がないという思いから、限られた時間の中で集中力を高めて勉強できるようになるんです。浦高の生徒は部活動を引退した後にうまく切り替え、猛勉強して一気に成績が上がると言われています。 ――――新チームの特長や強みはどこにありますか? 今年のチームはハイプレスを掛けるやり方ですが、練習試合でも点を取れています。ハイプレスと強度を高めて戦うことがうちの生命線です。本来は中盤ですが(副主将の)三上(雄大)は、守備ラインからパスをつなげる頼もしい存在で、サイドバックの佐藤(煌純)はロングスローの担い手です。それから1年生にも頼もしい選手が多く、バックアップ体制が整っていると思います。 ――――左右CKのキッカーですが、プレースキックは得意ですか? まあまあだと思います。 ――――FKは担当しないのですか? 自分もできますが、三上が蹴りたいと言うので(笑) ――――今シーズンの目標は? 全国高校選手権予選でベスト8に入ることです。 ――――文系ですか、理系ですか? どの大学を目指しているのですか? 文系です。今は一橋大学のソーシャル・データサイエンス学部を希望しています。去年の4月に新設された学部で、社会科学とデータサイエンスの融合を研究するそうです。