ムーアの大作「アーチ」保守作業始まる 広島市現代美術館、1987年の設置後初
広島市南区の比治山公園にある現代彫刻界の巨匠ヘンリー・ムーア(1898~1986年)の大作「アーチ」の保守作業が6日、始まった。1987年の設置以来、初の全面的なメンテナンス。11日まで洗浄や着色の調整などをする。 【写真】保守作業前の彫刻作品 英国の彫刻家ムーアが手がけたブロンズ製のアーチは高さ約6メートルの緑青色で、市現代美術館所蔵の最大の彫刻作品。89年に開館した同館の建設にあたって、玄関正面の「ムーアの広場」に設置された。人間の手を組み合わせた形を抽象化し、風景を抱きかかえることで平和を表現している。内部には87年の平和宣言が納められている。 この日は、作業員4人が足場の上でブラシを使って表面の汚れやさびを洗い落とした。同館は保存・修復をテーマに開催中のコレクション展に合わせ、保守作業を公開している。同館は「時を経た作品の味わいと作品を残し続けるための過程を見てほしい」としている。
中国新聞社