TOPIXバブル後の戻り高値を上回る、保険や銀行が上昇けん引
(ブルームバーグ): 東証株価指数(TOPIX)が28日、バブル崩壊後の戻り高値(終値ベース)を上回った。日本株の上昇トレンドが持続する勢いであることが確認された。
TOPIXは一時前日比0.8%高の2816.62ポイントまで上昇し、今年の高値だった3月22日の終値(2813.22)を上回った。東証33業種で上げが目立つのは保険、銀行、鉱業など。指数の水準は1989年12月に記録した過去最高値(終値で2884.80)に迫っている。
3月に高値を付けていたTOPIXは、大幅上昇の反動や企業の保守的な業績見通し、日本銀行の政策不透明感などが重しとなり、米国株が最高値を更新し続ける中でも調整局面となっていた。きょうこのまま3月終値を上回ったまま取引を終了すれば、3カ月ぶりの更新となる。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「この3カ月は大型バリュー(割安)株が相対的に強い」とし、「日本企業の資本コストを意識した経営への一定の期待が続いている」と述べた。
特に、足元で上げが目立つ金融株については「日銀が慎重ながらも緩和修正に進み、国内金利環境が変わってきたことで利ざや改善など業績期待が出ている」との見方を示した。
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Toshiro Hasegawa