「ウォレット・アウェアネス」がなければ、我々はWeb2を開発しているに過ぎない
前進の道
Web3の成功は、単に分散化やプライバシーの強化だけに依存しているのではないと考えている。Web2と真に差別化するには、ウォレット・アウェアネスを取り入れなければならない。つまり、デジタル体験が一人ひとりに合わせてカスタマイズされたインターネットを開発することを意味し、ウォレット内のリッチなデータを活用することで、Web3独自のものを作り出すことができる。 あらゆるやり取りがパーソナライズされたように感じられ、ウォレット内の匿名データに基づいてコンテンツがあなたのためだけにキュレーションされるウェブを想像してほしい。 遠い夢ではなく、今すぐ実現可能な目標だ。ウォレット・アウェアネスを備えたWeb3は、デジタル世界との関わり方を変え、より有意義で、各ユーザーのニーズや好みに合わせたものにすることができる。 ウォレット・アウェアネスがもたらす効果は、オンサイト体験だけでなく、ユーザー獲得方法にも及ぶ。オンチェーンマーケティングは、ウォレット・アウェアネスを利用して、ウォレットのアクティビティに基づいてパーソナライズされた広告を配信できる。 このアプローチは、匿名データを使用することでユーザーのプライバシーを尊重し、ユーザーの個人的な経歴を詮索しない。ウォレットデータを利用することで、オンチェーンマーケティングは尊敬と実用性の上に築かれた広告主とユーザーの関係を構築し、ユーザーの関心や保有資産に合わせた関連性の高い、有益な広告を提供できる。これにより、Web2.0の押し付けがましい手法とは一線を画した、より魅力的で有意義なマーケティング体験が実現する。 Web3の開発者であり、イノベーターである我々には、限界を押し広げ、漸進的な改善以上のものを目指す責任がある。我々は、単に分散化されただけでなく、深くパーソナライズされ、ユーザーに反応するウェブを創造しなければならない。 そうした潜在能力が完全に発揮されたWeb3への道のりは現在進行中で、ウォレット・アウェアネスはその旅路における重要なステップだ。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Coinbase|原文:Without Wallet Awareness, We’re Just Building Another Web2
CoinDesk Japan 編集部