大橋マキ(47)三浦半島の葉山で暮らすいま「高齢者の自立に手を添えられたら」
年を重ねていくなかで、自分らしく元気に暮らしたい。元フジテレビアナウンサーの大橋マキさんは、自然や地域や高齢者とともに歩もうと、10年前にある活動を始めました。(全5回中の5回) 【画像】素敵な大橋さんの現在!自然に囲まれて暮らしている貴重な写真の数々(全18枚)
■ザリガニをとり木登りをしていた幼少期 ── 現在、三浦半島の葉山町で暮らす大橋さん。移住のきっかけはなんだったのでしょう? 大橋さん:生まれは鎌倉ですが、父の転勤で静岡や茨城など自然豊かな場所で幼少期を過ごしました。おおらかな人たちに囲まれ、川でザリガニを取ったり、野山を駆け回って木登りをしたり。もともと自然のある場所のほうが落ち着くんです。
葉山に移住する前は、夫の仕事の都合でオランダのアムステルダムで半年ほど暮らしたのですが、街中に運河が流れ、近くに自然があってとても過ごしやすかったんです。 ですから、帰国後も、東京ではなく、海や山に近い場所で生活したいと思い、2009年に葉山に移住しました。 わが家の子どもたちは生き物が大好き。海や川で獲ってきた魚を育てたりしています。海や山がなかったら、どうやって子育てしていいかわからないくらい、自然のなかに放って育ててきました(笑)。
── 2018年には、一般社団法人「はっぷ(HAPP)」(葉山つながりプロジェクト)を立ち上げ、ガーデニングを通じてシニア世代の心とからだを支える活動に注力されています。どういう思いから発足されたのでしょう? 大橋さん:病院でアロマセラピストとして働いているとき、お見舞いに来られたご家族に、「お疲れでしょうから、ご一緒にいかがですか?」と、施術させていただく機会もありました。 すると、なかには、施術中に涙を流される方もいて、ご家族の抱える思いや介護の大変さなどが伝わってきたんです。そうした経験から、病院の中だけでなく、日常に関わりながら、支えていく活動ができないかなという気持ちがありました。
あるとき、葉山の社会福祉協議会からの依頼で、介護者のためのアロマセラピー講座を開くことになり、3年間担当しました。アロマが介護者の生活のなかで実践できることがお伝えできたと思いますし、反響もよかったようです。 でも、シニア世代にとってはなじみの薄いエッセンシャルオイルよりも、ワカメやヒジキ、タケノコや山菜など、葉山の「自然のなか」で感じられる季節の香りのほうが身近だと気づいたんです。そこで、皆さんに「一緒に畑をやりませんか?」と声をかけたのが、そもそもの始まりでした。