「再エネ100%」のスキー場が登場 リフトも休憩施設も全て再生可能エネルギーで
エイブル白馬五竜スキー場(長野県白馬村)を運営する五竜(同)は4日、リフトや休憩施設など同スキー場の全施設の電力を再生可能エネルギーで賄うと発表した。契約している電力会社の電力プランを全て再エネプランにした。県内のスキー場事業者らでつくる県索道事業者協議会によると、スキー場運営に関わる全ての電力を再エネで賄うのは県内では珍しい。 【写真】スキー場では外国人客の回復に備えてバイトの時給を200円アップ
年間で約1・4トンの二酸化炭素削減
同スキー場の主な施設はゴンドラリフト1基とリフト7基、降雪機、飲食店などが入る麓の複合施設「エスカルプラザ」など。同社によると、昨年1年間の電力使用量は285万キロワット時。再エネに切り替えると、年間で約1・4トンの二酸化炭素(CO2)削減につながるという。
白馬エリアのスキー場は良質なパウダースノーで有名だが、近年は温暖化による雪不足に見舞われている。五竜は、化石燃料による発電を減らす取り組みとして、2020年に一部ゲレンデのリフト運行に再エネを導入したが、通常のプランに比べて割高な上、電力供給が不安定でナイター営業での利用にとどめていた。
今回、利用客数が回復基調にある上、リフト券の値上げ分を費用に充てて再エネに切り替える。五竜は中部電力(名古屋市)、エネサーブ(大津市)、UPDATER(東京、旧みんな電力)の3社と契約した。
スキーシーズンに限らず、グリーン期にスキー場の一部で開園する高山植物園の営業など、通年で再エネを使用する。営業推進部の中野比呂志さんは「スキー場は自然の恩恵を受けて営業できる。再エネ100%の使用がスキー場事業者全体に広がってほしい」と話した。