「俺たちの目的は何かを話した」U―23日本代表・大岩剛監督「プラン通り」7人先発変更で韓国に惜敗も信念貫く
◆サッカー男子パリ五輪アジア最終予選兼U―23アジア杯 ▽1次リーグB組最終戦 日本0―1韓国(22日・ドーハ) 【動画】後半30分、日本が痛恨の失点… 【ドーハ(カタール)22日=後藤亮太】8大会連続五輪出場を目指すB組の日本は韓国に0―1で敗れた。五輪最終予選では96年アトランタ大会以来、28年ぶりの韓国戦敗北。1次リーグ(L)2位通過で、3位以上が獲得する五輪切符への道のりはさらに険しくなった。日韓戦で先発7人を入れ替えるなど、1次L3試合でGK山田大樹(22)=鹿島=を除いて23人中22人を起用。大岩剛監督(51)が選択した「ターンオーバー(多数の先発交代)」を「読み解く」。日本は25日の準々決勝で開催国のカタールと対戦する。 迷いも悔いもなかった。後半30分にセットプレーから失点して0―1で敗戦。1次L2位通過となり、がっくり肩を落とした選手たちと同じように、大岩監督にも「永遠のライバル」に負けた悔しさはあるはずだが、「プラン通りに臨んで、1人(GK山田大)以外は出場することができた。勝ちたかったけど、選手はいろいろ試しながらやってくれたので評価していい」と前向きに話した。 準々決勝まで中2日の過密日程もあり、初戦の中国戦から第2戦のUAE戦と同様に先発7人を入れ替えた。DF半田、MF田中、FW内野航の初先発組も含まれた。1位通過、国の威信をかけた日韓戦でも、指揮官は「全ての選手がこの大会でプレーするのが目的。それが後々の試合に響いてくる」と貫いた。 4バック想定の韓国は守備時にDF5人、中盤4人の布陣を選択。日本は適応できず、攻撃が停滞した。連係が取れなかった理由を「対話不足」と口にする選手もおり、入れ替えの影響が見られた。途中交代で出場したA代表経験者のFW細谷、10番MF佐藤らも焦り、決定機で不発。細谷が「自分が点を取らないといけない」と反省するように、1次LでFWが無得点に終わったことも誤算の一つだ。 ただ、大岩監督は「チーム全員で戦う」とテーマを掲げ、本当の戦いはここから、と踏んでいる。“完全アウェー”が予想されるカタールとの準々決勝から一発勝負。相手は厳しくなるが、MF松木が「疲労もたまっていないので、120%の力を出せるようにしたい」と話すように、各選手の出場時間は管理され、全員がフレッシュに近い状態が整う。A代表がロシア、カタールW杯の1次Lでターンオーバーし、トーナメント戦で格上に善戦した歴史からも学んだ。 「この1敗でチームがまとまった、強くなったという話をできるように」とMF山本。指揮官も「もう一回、俺たちの目的は何かというのをロッカーで話した。全員が同じ方向を向けるように」と明かした。先を見据えて戦ったこの一戦の利点を生かし、パリ五輪への切符につなげる。
報知新聞社