木のおもちゃ美術館、基本設計発表 御殿場の自然と文化発信 溶岩隧道や富士山麓演出
御殿場市は27日、2026年夏に同市印野の「富士山樹空の森」敷地内に開館を予定する「富士山 木のおもちゃ美術館」(仮称)の基本設計を発表した。地元産木材との触れ合いを通じた多世代交流の拠点とするとともに、同市の自然や文化の魅力を発信する仕掛けを多数設ける。 鉄骨造り2階建て、延べ床面積1348平方メートル。1階は「富士のもりひろば」と題し、印野の溶岩隧道(ずいどう)を意識した木のトンネルや富士山麓の自然を演出した収穫遊びエリア、吹き抜け空間と角材を削り出して作る大型オブジェ遊具、湖や湧き水を連想させる木材のたまごプールを設ける。2階の「富士のさとひろば」は文化・風習がテーマ。小屋遊びやままごとを通じて歴史や伝統、食文化を感じられる空間にする。富士山の眺望を楽しめるテラスなども用意する。 市はこれまで、施設の内容充実に向けたワークショップなどを開き、集めた市民の意見を反映して基本設計をまとめた。6月から造成工事を開始する方針。総事業費は約15億円。 27日に市役所で開かれた定例記者会見で、勝又正美市長は「観光交流客数の多さなど市のポテンシャルを考えると、年間15万人程度の来場を目指せる施設になると思う」と力を込めた。
静岡新聞社