「能登牛」買って応援 去勢で最高値 東京でせり
飲食店や小売店でフェア企画も
能登半島地震発生後初となる石川県のブランド和牛「能登牛」の枝肉せりが15日、東京都中央卸売市場食肉市場であった。買参人からは、「買うことで何とか生産者を応援したい」との声が相次ぎ、同日の去勢の最高値が出るなど活気ある取引となった。飲食店や小売りでフェアを企画する動きもあり、応援の輪が広がっている。 同日、断水や停電の影響を受けた能登町の能登牧場とJA全農いしかわ能登牛肥育実験農場から出荷された12頭が上場した。 道路の寸断などで出荷が危ぶまれたものの、通常の1・5倍ほどの時間をかけ、無事同市場に到着したという。 生産者を後押ししようと、せりには遠方からも買参人らが駆け付け、上場したうち1頭は1キロ3532円(税別)と同日の去勢最高値を記録した。 2頭を落札した大山(東京都台東区)は、直営する飲食店で「能登牛」の応援メニューを提供する。渡邉恭司社長は「復興までにはまだ長い時間がかかると思う。今後も応援を続けたい」と力を込めた。
日本農業新聞