玉山鉄二、“惑わす側”の秘書官役で綿密な役作り「リアル何%、ミスリード何%というさじ加減が大事」『笑うマトリョーシカ』
6月28日(金)スタートの金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』(TBS系 毎週金曜 午後10時~10時54分)で鈴木俊哉役を演じる玉山鉄二さんのインタビューコメントが到着した。 【写真】『笑うマトリョーシカ』メインビジュアル 本作は、水川あさみさん演じる主人公の新聞記者・道上香苗が、櫻井翔さん演じる若き人気政治家・清家一郎と、玉山鉄二さん演じる有能な秘書・鈴木俊哉を取り巻く黒い闇を追うヒューマン政治サスペンス。原作は、日本推理作家協会賞や山本周五郎賞など数々の受賞歴を持つ早見和真氏が2021年に発表した同名小説。 若き政治家と有能な秘書の奇妙な関係、栄光の裏で起きた数々の不審死。そして、それを追う新聞記者の強い執念。一瞬たりとも見逃せない“人間という迷宮”を描く、スリリングなエンターテインメント作品となっている。 高校時代から清家を支え、未来の総裁候補にまで押し上げたブレーン・鈴木を演じる玉山さんが、腹の内の読めないミステリアスな役柄を演じる上での心構え、そして初共演となる櫻井さんとの撮影について語った。 ◆本作のオファーを受けた際のことを教えてください。 原作は情報量が多く、文学的な表現や人間同士のえぐみなどさまざまな要素が含まれているので、映像化するのはハードルが高いことだと思いました。だからこそ余計に鈴木という役を全うして、今までにない異質な作品になればと思ってオファーを受けさせていただきましたね。原作は清家と鈴木の高校時代などの“回想”というベースがあっての現代なので、同じストーリーをなぞる中でも回想を見せる順番やタイミングなどは、本当に脚本家の方々が試行錯誤して作ってくださったなという思いがあります。それぞれのキャラクターも立っていて、その絡み方に癖や違和感がある。そういった部分もお客さんに楽しんでいただけたらなと思っています。 ◆自分も表に立つ能力がありながら裏方に回り、清家を高校時代から支え続ける鈴木という人物をどのように捉えていますか。 自分に対して希望も期待もないような男で、叩いても響かない心を持っているのではないかと思いながら演じています。道上や清家が絡んでいるある事件の中で、いつもポーカーフェイスの鈴木からあふれて出てしまう“鈴木っぽくないところ”が視聴者の心に響くのではないかと。現状、台本が全て出来ていないので、演じながら難しい部分や迷いももちろんあり、監督やプロデューサーの方と入念に話をして練り上げて、みんなで鈴木を作り上げている感覚が近いです。水川さんや櫻井さんとの現場での会話の中にヒントが落ちていたりもするので、あえて明確なものを決めずに演じた方が、鈴木という人物に近づけるのかなと思っています。 ◆水川さん演じる道上が視聴者と同じ目線のキャラクターだとすると、逆に鈴木は視聴者と駆け引きをするような立場かと思います。 そうですね、惑わしたりミスリードしたり。ミスリードする=ストーリー上リアルではないということもあると思うので、リアル何%、ミスリード何%というさじ加減が大事だと思っていて。監督と僕の間でその数値にズレを感じたら、僕はこう思う、ということを伝えて話し合って、擦り合わせていく作業をしています。だから鈴木というキャラクターは難しいですよ。原作は鈴木の主観で物語が進むことが多いのですが、ドラマでは僕はその役割ではなく、惑わす方なので。 ◆水川さん演じる道上についてはどのような女性だと思いますか。 父親がなぜ亡くなったのか、その真相を知りたいという部分でしっかりとした芯のある力強い女性だと思います。その中で彼女にしかない目線や感覚を持っているのが彼女の持ち味。彼女がセオリー通りの解釈をしないことが物語のサスペンス的な要素やミステリー的な要素を強めていくと思います。演じる水川さんご本人は、少女のような愛嬌と関西人特有のツッコミの速さのある清々しく気持ちのいい女性。20年くらい前にご一緒して、その後も何度かお会いしていますが本当に変わらないですし、座長として僕らに気を使ってくれていると感じる時もあります。出ずっぱりで説明せりふも多い中あまり無理してほしくないなと思いますが、本当に助けられていますね。