年金を「繰上げ受給」する場合の注意点3選!障害年金や遺族年金への影響はある?
年金の繰上げ受給は、早期に年金を受け取れる反面、いくつも注意点があります。また、一口に年金といっても、障害年金や遺族年金もあり、人によっては、繰上げ受給をすることで年金全体にどのような影響を及ぼすのか、気になっている方もいるでしょう。 そこで、今回は繰上げ受給の注意点を解説していきます。
年金額が減額する
繰上げ受給最大の注意点といっていいものに、年金額の減額があります。繰り上げは1ヶ月単位で行うことができ、1ヶ月繰り上げるごとに、将来受け取る年金額は0.4%減額されます(昭和37年4月2日以降生まれの方)。 繰り上げの上限は60歳であり、最大で24%減額されることになります。仮に、65歳から月換算10万円の年金を得られる方の場合、上限である60歳まで繰り上げると、月換算の年金額は7万6000円になるというわけです。 繰上げ受給は、一度請求するとその後取り消しをすることはできず、将来にわたって減額された年金額で受け取りつづけることになります。そのため、後悔しないよう検討する必要があるでしょう。
他の年金への影響を考慮する
日本年金機構「年金の繰上げ受給」によると、繰上げ受給をすると、遺族年金や障害年金へ影響するようです。特に大きなものとしては「障害年金の受給が不可能になる可能性がある」という点です。 例えば「障害認定日には障害が大きくなかったけれど、その後重症化し、障害年金を受給できるようになった」という場合を考えてみましょう。そのような場合でも、繰上げ受給をすると障害年金が受給できなくなります。また、繰上げ請求をすると、それ以降に病気や事故で障害を負っても、障害年金が受給できなくなります。 さらに繰上げ受給は併給の禁止に抵触するため、65歳までの間は、繰上げ請求した老齢年金は、遺族厚生年金など他の年金と選択することとなります。 他にも、国民年金を満額に近づけるための任意加入や、保険料の追納などといったこともできなくなってしまいます。 このように、繰上げ受給が他の年金に与える影響は、非常に大きく複雑です。この点については、繰上げ受給前に必ず年金事務所などへ相談しておくことをおすすめします。