梨泰院の真相究明法案に拒否権 雑踏事故で尹大統領、遺族ら反発
【ソウル共同】韓国の尹錫悦大統領は30日、ソウル・梨泰院で159人が死亡した2022年の雑踏事故の真相究明を図るとして国会が可決した特別法案に拒否権を発動した。法案成立を望む遺族らは「無責任で愚かな決定だ」と反発した。最大野党「共に民主党」は遺族側に寄り添う姿勢を強調し、尹政権を批判した。 国会での可決は共に民主党が主導。政府は30日の閣議で「真相調査の中立性に疑義がある」として国会への再議決要求を決め、尹氏が承認した。 法案は、与野党の推薦者らでつくる調査委が真相を調べるとの内容が柱で、野党が過半数を握る国会で9日に可決。与党は採決をボイコットし拒否権発動を求めていた。