自宅裏に絵本図書館 小松・二木さん 1200冊「人つなぎたい」
小松市空とこども絵本館長の二木裕子さん(64)が、同市今江町2丁目の自宅裏に絵本をそろえた私設の絵本図書館を開設した。これまでに集めた約1200冊を並べ、無料で利用できる。幅広い世代に絵本の魅力を知ってほしいと、地域の公民館などでも同様に絵本を貸し出す取り組みを行っており、「絵本をきっかけに色んな人のつながりができるとうれしい」と話している。 二木さんは自宅の蔵に併設する物置を改装し、7月に絵本図書館をオープンした。12畳ほどの広さで、子どもが手に取りやすいよう本棚の下部分に絵本を配置し、上部には大人向けの小説などもそろえた。二木さんが収集してきたり、知人から譲り受けたりした絵本のほか、3人の子どもが読んだ思い出深い絵本も並ぶ。 ●無料貸し出し「気軽に」 開館時間は毎週水曜の午後1時半~5時で、無料の貸し出しカードを作ると、1人3冊まで2週間借りることができる。 誰でも気軽に絵本に触れてもらいたいと、二木さんは2021年10月から、自宅玄関のほか、今江町のしろやま会館や食料品店など4カ所に、絵本の入った「絵本箱」を設置。利用者に合わせて選んだ絵本15~20冊を用意し、月1回のペースで入れ替えてきた。 絵本をきっかけに地域の人が集まり、会話を弾ませながら交流が深まる場にしたいと、5カ所目の拠点として自宅裏に絵本図書館を開設した。 訪れた小松市北浅井町の洋画家五十嵐陽子さん(79)は「初めて来たが、ほっと落ち着く空間だ」と笑顔を見せ、二木さんは「地域の人が気軽に訪れることができる場所にしたい」と話した。