心の病に苦しんだ24歳女性が見た袴田事件「お二人の存在が大きい」「悩みがちっぽけに感じる」
通称「袴田事件」。1966年に静岡県清水市(現在の静岡市清水区)で発生した強盗殺人事件で、味噌製造会社専務の一家4人が殺害され、警察は同社の従業員だった袴田巌さんを逮捕。死刑判決が確定したものの、再審によって無罪が確定した冤罪事件だ。 【映像】拘禁反応に苦しむ袴田巌さん ABEMA的ニュースショーでは袴田さんを支えてきた中川真緒さん(24)に注目した。「地元の事件なので、何となく冤罪事件ということぐらいは知っていた」と語る中川さんは、生まれも育ちも静岡県で大学は京都の同志社大学に進学したが、精神的な疾患から就職浪人に。そんなときに出会ったのが袴田さんの冤罪事件だった。 「傍聴に行くきっかけとして、最初はちょっと“やじ馬”的な感じで考えていた」と振り返る中川さんは「その中で『こんな事件だったんだ』ということをそこで初めて詳しく知りました。そこから支援者の方に声を掛けていただいて、気づいたら支援者の一員になっていた」と、袴田さんを支援することになった経緯を振り返った。 正式な支援メンバーではないが、支援者の会は家族のように受け入れてくれたという。中川さんは支援者の一員としてビラまきや署名活動、街頭宣伝にも協力し、そこで知った事実をSNSやブログで発表。公判にも足しげく通い続けた。 支援を続けてきた理由について「支援者の皆様が袴田事件は無実だと言うのはもちろんだと思うが、言ってしまえば赤の他人のことで何十年も支援されている方がいるという事実にすごく衝撃を受けて『何でそんなに頑張れるんだろう』と。単純にその理由が知りたくなって『一緒に行動してみたいな』という風に思った」と説明した。 また、中川さんは支援を続ける上で、巌さん本人と姉のひで子さんの「お二人の存在が大きかった」として「ひで子さんは本当に元気な方で、こちらが支援しているはずなのにこちらが支援されてしまうような、本当に元気を持っている方。巌さんも一緒にいるだけで癒される、すごく温かい気持ちにさせてくださるような方」とコメント。 「すべての悩みとかちっぽけには感じる。あれだけのひどい苦痛を強いられて、何でそんなに許せてしまうのだろう。自分も小さいことでくじけずに、強く生きていかなければいけないと思った」と自身の思いについても語った。 (『ABEMA的ニュースショー』より)
ABEMA TIMES編集部