綾瀬はるかが“予想外”の形で森下佳子と再タッグ 『べらぼう』語りは“第2の主役”に?
2025年NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(以下、『べらぼう』)の「語り」を綾瀬はるかが務めることが発表された。 【写真】森下佳子×綾瀬はるかの代表作『義母と娘のブルース』 『べらぼう』は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった蔦重こと蔦屋重三郎(横浜流星)を主人公とした笑いと涙と謎に満ちた“痛快”エンターテインメントドラマ。江戸時代中期を舞台に、日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築いた男の人生が描かれていく。蔦重は現在まで語り継がれている、喜多川歌麿、葛飾北斎、山東京伝、滝沢馬琴ら数多くの文化人たちを見出していく。 となると、劇中には数多くの「作品」が登場するはず。自ずとそれらの作品が現在はどんな評価をされているのか、どんな形で生み出されたのか、「解説」も必要になってくるだろう。そこで重要な役割を担うのが綾瀬が担う「語り」というわけだ。 近年の大河ドラマでも「語り」はさまざまな役割を果たしてきた。その中でも今回の綾瀬と共通点が多いといえそうなのが、『鎌倉殿の13人』の長澤まさみだろう。 『鎌倉殿の13人』の長澤は、シチュエーションや時代背景などの通常の語りの役割とは別に、「ツッコミ」も担っていた。キャラクターの発言や行動にボソッと入るツッコミが的確で、長澤の落ち着いた声のギャップが見事な笑いを生んでいた。脚本を手掛けた三谷幸喜の代弁者ともいえ、三谷から相当な信頼を寄せられていたことが分かる。2024年も映画『スオミの話をしよう』でタッグを組んでいるように、『鎌倉殿の13人』語りへの抜擢は必然だったといえるだろう。 綾瀬も『べらぼう』の脚本家・森下佳子とは度々タッグを組んでおり、『JIN-仁-』(TBS系)、『わたしを離さないで』(TBS系)、『義母と娘のブルース』(TBS系)、『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)と数々の名作を生み出してきた。だからこそ、「『べらぼう』にも重要な役割で出演するのでは?」と予想していたのだが、まさか「語り」を担うとは想像以上であった。 主人公と一部のキャラ以外は次々とキャストが入れ替わっていくのが大河ドラマの特徴だ。1年にわたる放送の中で、文字通り“最初から最後まで”作品に寄り添うことができるのは、主演以外では「語り」ぐらいのことも多い。その意味においても、森下が綾瀬に絶大な信頼を寄せていることの証明であるとも言えるし、第2の主人公とも言える役割を果たしてくれそうな気がする。 また、終盤に期待したいのが綾瀬の“役者”としての出演だ。前述の長澤は、『鎌倉殿の13人』に女中役でサプライズ出演。事前の告知もない出演だっただけに、SNSトレンドを席巻した。今回、綾瀬の「語り」は「九郎助稲荷」とされており、明確な役柄はすでに決まっているが果たして……。 綾瀬はるかの語りと横浜流星の演技が、どのように江戸の空気を現代に伝えていくのか。2025年の放送開始が今から待ち遠しい。
石井達也