日本ハム・レイエス 躍進を支えた真面目で陽気なチーム本塁打王/わがチームの“○○王”
この真面目で陽気な助っ人がいなかったら、日本ハムの2位躍進はなかった。チームトップの25本塁打を放ったレイエスだ。覚醒の起点となったのは、二軍本拠地の千葉・鎌ケ谷だった。開幕戦でアーチを放ったが、その後は打撃の調子が急降下。うまくいかなくなっていた時期に新庄剛志監督はレイエスの二軍降格を決断した。 【選手データ】フランミル・レイエス プロフィール・通算成績 最初は、ものすごく落ち込んでいた。それでも、助っ人の支えになったのは心優しき同僚たち。「ファームに行っても、みんなが僕を受け入れてくれたから、僕もしっかりと野球をすることができた。その感謝を伝えたいと思って、若い子たちを連れてご飯も行けた」。前向きな気持ちで取り組めた約1カ月の二軍生活が大きな分岐点となった。 新庄監督は言っていた。二軍へ送り出す前に「レイエスが今後のキーポイントになってくるからね。1回、ファームのほうでリラックスしてもらって余裕を持って打席に入ってほしい」。その思いは通じた。メンタルのリフレッシュだけでなく、技術面ではタイミングの取り方や配球を学ぶなど、打席内での余裕も生み出して一軍へ戻ってきてくれた。 二軍降格前は26試合で2本塁打だったが、一軍復帰後は77試合で23本塁打。ベンチ内では仲間を鼓舞するムードメーカーになり、CS進出へ向けて一丸となったチームの中心となった。そんな今季のチーム本塁打王は「ファイターズ以外の場所でプレーすることは考えられませんでした」と来季も残留が決定。2025年はもっとアーチを量産する。 写真=BBM
週刊ベースボール