人種差別メッセージ、全米で相次ぐ 大統領選後、FBIが捜査
【ワシントン時事】11月5日に投開票された米大統領選の直後から、全米各地で黒人に対して人種差別的なメッセージが送られる被害が相次ぎ、連邦捜査局(FBI)が捜査に乗り出した。 【写真】オハイオ州で、人種差別に抗議する女性 トランプ次期大統領の勝利をきっかけとした人種間の憎悪の広がりに懸念が広がっている。 「全米黒人地位向上協会(NAACP)」によると、多くの州で黒人の若者らに「綿花の収穫のために迎えに行く」などと匿名のメッセージが届いた。米南部では綿花栽培で黒人が奴隷労働を強いられた歴史がある。 人権団体やメディアによると、差別的なメッセージは選挙結果が判明した6日から送信が始まり、受信者の名前を明記したものもあった。南部ルイジアナ州の司法当局によると、メッセージの一部はポーランドの暗号化された仮想プライベートネットワーク(VPN)を経由しており、発信元は不明だという。 CNNテレビは、メッセージアプリ「テキストナウ」を通じて送られたメッセージもあったと報じた。広報担当者はCNNに「広範かつ組織的な攻撃だ」と説明している。 NAACPのジョンソン会長は8日の声明で「全米の人種差別主義者グループによる卑劣な暴言が急増していることを示している」と非難した。メッセージとは別に、南部ノースカロライナ、ジョージア両州などで黒人に対する襲撃計画のうわさが広まっているとも指摘した。