1日から残業規制スタート 物流2024年問題どう対応?【WBS】
1日から働き方改革で残業時間の上限規制が強化され、物流のドライバーや建設作業員、医師などの残業時間が大きく制限されます。WBSではこれまでも2024年問題として物流業界を取材してきましたが、運送会社は1日をどう迎えたのでしょうか。 神奈川県にある物流センター「北王流通」。1日、0時を迎えたセンター内部では、トラックに荷物を積むドライバーが働いていました。北王流通は首都圏で主に外食チェーンなどに冷蔵や冷凍の食品を配送。およそ180人のドライバーを抱えています。 1日からトラックなどのドライバーに残業時間の上限を年間960時間とする規制が設けられました。どう備えたのでしょうか。 「まずはドライバーの労働時間を短くしなくてはいけないところがあり、積載率を上げていく」(「北王流通」厚木営業所の根釜大智所長) この会社では、1台のトラックで様々な業態の店を1日に15~20軒回ります。常にコースを見直し効率を上げる工夫をしています。 「コースの削減等によって1人浮いたところに新しく仕事を取ると売り上げは取れる」(根釜所長) 一方、今回の残業上限の規制はドライバーにも大きな影響があります。トラックなどのドライバーは一般的に基本給が低く、歩合や残業代で稼いでいて、今回の上限規制で収入が減ると言われています。 そこで北王流通が取った対策は、効率よく配送することでのインセンティブです。5年ほど前から作業量から設定した時間と比べて短い時間で終えた場合などに、ポイントを付与。3カ月ごとにポイントに応じた業務手当を給与や賞与とは別に支給しています。 さらに賃金アップにも取り組みました。今月の支給分から全社員の給与を5000円ベースアップ。扶養家族1人に対して5000円の手当も支給します。 「2024年問題をきっちりやりきることで、一時的にはしんどいが、将来の人材確保に資する」(「北王流通」黒田英則社長) ただ、北王流通では、配送全体のおよそ5割を外部の協力業者に委託。こうした事業者が今後存続できるか不透明だと話します。 「同業者の廃業など規制についていけなくなるようなケースがあり得る。それが協力会社にも同じことが起こる可能性がある」(黒田社長)