病院ない、スーパーない、高齢化率は57%…ならば住民自ら古里応援 コメ・野菜持ち寄り販売、車持たない高齢者の支援など続々 九州厚生局が表彰 鹿児島・出水
鹿児島県出水市の大川内地区コミュニティ協議会による住民を応援する活動が、広がりを見せている。少子高齢化が進み買い物や憩いの場がなかった古里で、生きがいづくりを中心とした取り組みをあの手この手で工夫。2023年度九州厚生局地域共生社会推進賞の団体部門・部門賞に選ばれた。 【写真】手作りのメダルを手に、住民に感謝の気持ちを伝える児童=出水市の大川内小学校
同地区は伊佐市などと隣接する。米之津川上流に位置し、森林が多く自然豊かな里山が特徴。23年9月1日現在、人口637人、367世帯、15自治会、高齢化率57.45%で、5自治会は7割が65歳以上だ。主な産業は農業で、病院やスーパーはない。学校は大川内小、上場小、大川内中といずれも特認校で、校区外からの通学が多い。 協議会は17年4月発足。旧Aマートに事務所を置き、約50人で活動する。地域の要望などを基に、住民が持ち寄る米や野菜、工芸品を販売する「茶いっぺ市場」や、車を持たない高齢者を車に乗せて市街地のスーパーで買い物してもらう「ドライブサロン」を企画。お年寄りの通いの場として、サロン活動や健康体操教室なども開く。 九州厚生局地域共生社会推進賞の団体部門・部門賞は大賞、優秀賞に次ぐ。同局は地域共生社会実現へ活動が模範的で、今後も努力していくと認められた市町村や団体を1月30日に表彰した。県内唯一の受賞。
協議会の井手上正弘会長(71)は「取り組みが評価されてうれしい。受賞を励みにこれからもみんなで力を合わせ、よりよい住みよい大川内にしていきたい」と張り切る。
南日本新聞 | 鹿児島