センバツ2023 彦根総合 諦めない戦い 力強くエール 教師の木寺さん、球児へ墨絵 /滋賀
◇「感謝忘れずに」 センバツ出場が決定した彦根総合には部活動に励む生徒を趣味の墨絵で応援している教師がいる。同校で化学を教える木寺(きでら)真史さん(44)だ。野球部にはこれまでに5作品を作り、同校の食堂や寮などに飾られている。 2020年に始まった新型コロナウイルス禍で部活動も制限され、生徒たちは思うように練習ができなくなった。木寺さんは書道や絵画の経験はなかったが、同時期に趣味で墨絵を始めていたこともあり「力強い絵で生徒を励ましたい」と制作を始めた。 墨絵には、監督やコーチが指導でよく使う言葉も入れる。普段は授業があるため、まとまった時間がとれる長期休みを中心に制作する。野球部以外にもサッカー部や吹奏楽部のためにも描いてきた。 野球部にはこれまで宮崎裕也監督(61)がよく使う言葉「覚悟はあるか」を入れたもののほか、昨春の県大会で敗れた際は「夏 倍返し」との言葉を入れた絵を贈った。昨年12月には宮崎監督から依頼されて作った「俺達は諦めない」という言葉を入れた作品(縦40センチ、横60センチ)が完成。同部専用グラウンドに掲げられた。現在は甲子園のアルプススタンドに飾る横断幕の制作にも取り組む。 木寺さんは「墨絵を見て『かっこいい、頑張ろう』と少しでも元気になってくれたらうれしい。周囲への感謝を忘れずに甲子園で頑張ってほしい」とエールを送った。【飯塚りりん】