第93回選抜高校野球 下関国際、粘り一矢 好機にはスタンド総立ち /山口
<センバツ甲子園> 第93回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催)開幕日の19日、下関国際は健大高崎(群馬)と初戦に臨んだが、昨秋の公式戦で計15本塁打を放った強力打線を誇るチームを相手に、及ばなかった。三塁側アルプススタンドでは在校生や保護者ら約350人の応援団が健闘をたたえた。【堀菜菜子、野原寛史】 スタンドでは、先発を任された松尾(2年)の母、幸恵さん(41)は「精いっぱい実力を発揮してほしい」と激励。二回に先制を許したが、渡部(3年)は「緊張感があるので、もっと元気を出していつも以上の力を発揮して」と期待した。 四回のピンチをダブルプレーで切り抜けると大きな拍手が起こった。堀田(2年)は「普段の練習でやってきたことが、甲子園で発揮できている。下関国際の野球は終盤から」と声を弾ませ、大きくメガホンを振った。三回途中から登板した古賀(2年)の母、洋子さん(50)は「ここしかないという気持ちがプレーに出ていた。悔いのないように投げきってほしい」と見守った。 4点の追加点を許して迎えた九回、代打・染川(2年)が内野安打で好機をつくるとスタンドは総立ちに。父博昭さん(50)は「寮暮らしで会えないが、大人の顔になっている。誇らしい」。続く片桐(3年)の適時二塁打などで2点を返すと、父昌宏さん(39)は「最後の最後に見せ場を作ってくれて、球場が盛り上がった」とねぎらった。 ◇市民ら密避け応援 下関市竹崎町の商業施設「シーモール下関」の2階セントラルコートでは65インチの大型テレビと客席20席が設置され、客席や吹き抜けの上階から市民や買い物客らが観戦した。 2点を先行されながらも粘り強く戦う下関国際。四回表の攻撃を見守っていた同市後田町の会社員男性(62)は「下関から出る学校には、やはり頑張ってほしい。まだ2点差やからチャンスはある」とエールを送った。終盤になってテレビ前で観戦する人が増える中、選手たちは最終回に意地の2点を返した。試合終了後、健闘をたたえて拍手を送った県立豊浦高3年の吉中祐太さん(17)は「同年代が甲子園で戦う姿はかっこよかった」、同、川本斗希也さん(17)は「健大高崎を相手によく粘ったと思う。豊浦高とも切磋琢磨(せっさたくま)して、県内の野球レベルを上げていってほしい」と話した。【佐藤緑平】 ……………………………………………………………………………………………………… ▽1回戦 下関国際 000000002=2 健大高崎 02000004×=6 〔下関版〕