偶然の出会いかと思いきや…実は「仕込み」だった!? M-1決勝を狙う芸人が“36歳美女”とゴールインできたワケ
二人そろって沖縄好き
ともに沖縄好き。出会う前年の16年4月には、二人の地元・熊本で震災が発生し、県内に大きな被害をもたらしたが、それが二人の出会いにつながったという面もあった。 沖縄好きが高じた弓恵さんは当時、現在も勤めるホテルに退職届を提出して、新たに沖縄のホテルで働こうと決めていた。が、「被災した郷里に両親を残して沖縄へは行けない」と、転職を思いとどまったからである。彼女が沖縄に行っていたら、二人が会うことはなかったかもしれない。 弓恵さんに輪をかけて沖縄好きで、20歳から例年足を運ぶ勲さん。交際後は一緒に毎年沖縄を訪れ、彼女が知らなかった景色の奇麗なカフェやおいしい沖縄そば屋など「自分の一番好きな場所へ案内」し、愛を育んだ。
先に進めなかった理由
勲さんは早くから結婚の意思を固めていたが、芸人としての収入の不安定さやコロナ禍もあり、先へ進めずにいた。ようやく21年、勲さんが弓恵さんの両親にごあいさつ。勲さん自身は、母から「結婚を決めた相手じゃなければ紹介しないで」と言い渡されていたため、23年になって初めて弓恵さんを母に紹介した。 入籍は今年の1月13日。1月1日は吉日が重なり、忘れようもない元日という日の入籍も考えたが、ホテル業に従事する弓恵さんは、元日には休みが取れない。「記念日が休みでないのはイヤ」というワケで、飼っている黒猫「夜叉丸」(雄3歳)の誕生日を入籍日とした。これなら記念日を忘れずに済むだろう。 5月の新婚旅行ではスペインへ行き、サグラダファミリア、FCバルセロナの試合を楽しんだ。食道楽の二人はパエリアやバスクチーズケーキに舌鼓も打った。
夢はでっかくM-1決勝
勲さんの父、いまは亡きばってん荒川さんは熊本に本拠を置きながら全国区でも活躍した稀有(けう)なタレントだった。勲さんは現在、地元RKKラジオでレギュラー番組、テレビで準レギュラー番組2本を持つが、まずは着々とレギュラー出演を増やすことを目指す。 今年のM-1グランプリは2回戦で敗退するも、夢はでっかく決勝進出。そして「父が熊本にいながら東京や大阪の番組に出ていたように僕もなれれば」と思い描く。お笑い好きの弓恵さんがそんな彼を支える。 在りし日の父の「お米ばあさん」のような活躍を、全国で見られる日は来るか。
「週刊新潮」2024年12月26日号 掲載
新潮社