全国でも珍しい「時計の供養祭」 口コミで広がり今年は約100個が各地から 供養後は再び誰かの時計の部品に
【添えられていた手紙】 「時計をご供養していただけると知った時は、大きな安堵と感謝の気持ちでいっぱいになりました。」 「亡くなった家族が使っていたものです。不燃ごみにするのは時計に失礼と感じます。供養して欲しいです」 ■「時計供養祭」最初は道具を供養する目的で始まった 毎年、6月10日の「時の記念日」に合わせて行われる「時計供養祭」は福岡時計職人の会が企画したものです。 最初は、針や櫛の供養と同様に、時計の職人が使わなくなった道具を供養する目的で始まりました。 その後、壊れて処分に困った時計も供養するようにしたところ、口コミで広がり、今では北海道から沖縄まで、全国から時計が届くようになったそうです。 ■「時計供養祭」も今年で10年目に 福岡時計職人の会 松井隆志 事務局長 「時計は身につけるものだし、一緒に時だけでなく人生を刻む。何十年もしたら愛着が湧くので、時計が壊れたときには我々が修理できるような体制で、ネジ1つでも部品1つでも役に立たせていただいて、頑張っていきたい」。 ■江戸時代の時計も 恵蘇八幡宮とともに「時計供養祭」を企画した「福岡時計職人の会」は2014年に結成され、現在は県内の時計職人20人ほどで構成されています。 過去には部品がなくて修理ができないこともありましたが、今では供養された時計の部品を使ったり、修理方法について情報交換をしたりして、修理がしやすい環境になったということです。 「福岡時計職人の会」の事務所には、約1000個の時計が展示・保管されていて、中には江戸時代の時計もあるそうです。 「想い出が詰まっていて処分に困っている」「ゴミとして捨てるのに抵抗がある」 時を刻んできた時計が再び誰かの時を刻む取り組みが広がっています。
RKB毎日放送