【報知映画賞】3冠「正体」で作品賞の藤井道人監督「数年後も燃え上がって映画を作る映画人でいたい」
「第49回報知映画賞」の表彰式が16日、都内で行われた。 作品賞に輝いた「正体」の藤井道人監督(38)はタートルネックに濃いグレーのスーツ姿で登壇。同作配給の松竹・迫本淳一会長から花束を贈られると笑顔を見せた。 作品賞を獲得した同作は脱獄した死刑囚を主人公にしたサスペンス。特に「新聞記者」(2019年)以降、社会派作品も撮れる監督のイメージが定着するようになった同監督は「これだけ歴史のある賞をいただけてありがとうございます」とまず感謝の言葉を口に。 「自主映画を作ってきて、いつか有名な監督になりたいなと映画少年として、この道を歩んできました」と自身のこれまでを回顧。 「今回の作品は横浜流星と何か面白い物をと思って、情熱を持って作りました。仕事だと思わず、情熱、熱狂を持ってこの映画を作り続けました」と明かすと「4年ほどの月日がかかりましたが、チャンスを下さった皆さんの妥協をしない姿勢のおかげで作り上げることができました」ときっぱり。 「妥協しない人生でどこまで行けるか分かりませんが、数年後も燃え上がって映画を作る映画人でいたい。謙虚に覚悟を持って映画道を突き進んでいきたいと思います」と熱く決意表明していた。 ◆正体 凶悪殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けた鏑木(横浜流星)は脱獄に成功。変装し正体を隠しながら逃走を続ける鏑木は、日本中の話題の的となる。刑事の又貫(山田孝之)は、鏑木に接触した人々を取り調べるが、まるで別人のような人物像が浮かび上がる。鏑木の目的とは―。 ◆藤井 道人(ふじい・みちひと)1986年8月14日、東京都生まれ。38歳。日大芸術学部卒。2010年、映像集団「BABEL LABEL」設立。「オー!ファーザー」(14年)で商業作品デビュー。「新聞記者」(19年)で日本アカデミー賞最優秀作品賞など多数受賞。代表作に「ヤクザと家族 The Family」(21年)、「余命10年」(22年)、「青春18×2 君へと続く道」(24年)など。
報知新聞社