福島県西郷村の「県けやき荘」に立ち入り調査 障害者支援施設の入所者虐待問題で
福島県西郷村の障害者支援施設「県けやき荘」で40代の男性職員が60代の男性入所者にやけどを負わせた問題を受け、県などは10日、障害者虐待防止法に基づき、施設を立ち入り調査した。けやき荘の園長ら職員に問題が起きた当時の状況やその後の対応を聞いた。今後も調査を続け、園長が事案を把握しながら報告しなかった経緯や他に虐待などの問題がないかなどを調べる。 職員は2022(令和4)年9月11日朝、熱湯で熱したスプーンを入所者に押し当て、背中や足などにやけどを負わせたとされる。指定管理者の県社会福祉事業団の聞き取りに対し、虐待行為を認めている。園長は昨年2月には事案を把握したが、「勇気が出なかった」などとして事業団に報告していなかった。虐待は昨年12月21日に行った全職員対象の職場環境に関する定期調査で発覚した。 県障がい福祉課の大島康範課長は立ち入り後に報道陣の取材に応じ、「状況と原因を分析し、再発防止につなげる」と述べ、原因究明と再発防止に努める考えを示した。県は調査結果をまとめると共に、施設に再発防止策の提出を求める。入所者の出身市町村が虐待と認定した場合、行政処分の検討に入るとみられる。