男子・大牟田11年ぶり準優勝「学校史上最強」チームが悔しさばねに成長も「優勝を目指していたので…」【全国高校駅伝】
◆全国高校駅伝(22日、京都市・たけびしスタジアム京都発着) 2013年以来11年ぶりの準優勝にも、男子・大牟田(福岡)の選手たちは悔しさがこみ上げた。最終7区の残り1・5キロで、並走していた佐久長聖に競り負けての2位。「一番大事なところで落としてしまった」。アンカーの村上遵世(2年)は泣き崩れた。 ■全国高校駅伝男子の上位成績と区間賞 全九州大会で2時間3分25秒の大会新記録をマークし、赤池健ヘッドコーチが「大牟田高校史上最強」と自信を持って送り出した今大会。連覇を目指す王者に挑んだ。 伸び盛りの1区本田桜二郎(2年)がトップと29秒差の2位と流れをつくり、ロードが得意な4区の野田顕臣(3年)が勢いを加速させた。4位でたすきを受けると、3番手につけていた仙台育英の選手と並走しながら前を追い、区間賞の走りで3位へ。「ラスト2キロはきつかったけど、ラップを落とすことなく走れた」と強調した。 野田は2年夏まで結果を残せない悔しさから「みんなと同じ練習をしていたら弱いまま」と人一倍練習。夜の自由時間に1人で約1時間自転車型トレーニング器具をこぎ、ジョギングの距離をみんなより長くして同年冬に急成長した。 同じ4区を走った昨年は序盤にけん制して力を出し切れず、区間9位。反省を糧にし、今回は最初から積極的なレースを展開した。 5区の塚田虎翼(3年)、6区の森本守勇(同)も区間賞を取り、後半勝負の狙いは的中。それでも昨冬死去した大見治夫元監督が率いていた2000年以来の頂点に届かず、野田は「優勝を目指していたので悔しい部分はある」と言葉を振り絞った。 レース後、口を固く結んだ表情で保護者らにあいさつした選手たち。赤池ヘッドコーチは「この結果に満足してない証拠。またチャレンジして、新たに高みを目指したい」。悔しさを成長の糧にする。(浜口妙華) ▼全国高校駅伝男子の上位成績と区間賞▼
西日本新聞社