【大井競馬・ブリリアントC】本格化サヨノネイチヤが重賞連勝 全レースでコンビを組む西啓太も称賛「これからも楽しみです」
大井競馬場で9日に行われたSⅢ第7回ブリリアントC(4歳上、1800メートル)は、2番人気のサヨノネイチヤ(牡5・坂井英)が盤石の競馬で重賞2勝目を飾った。勝ちタイムは1分55秒5(不良)。1馬身1/4差の2着に1番人気のヒーローコール(牡4・小久智)が入り、上位2頭は5月15日のSⅠ大井記念(大井2000メートル)への優先出走権を獲得した。 直線3頭の叩き合いを楽々とねじ伏せたサヨノネイチヤの強さが際立った一戦となった。「休み明けでしたが結果を出せてホッとしています」。デビュー11年目の西啓太は安堵の表情を浮かべた。 まずまずのスタートから二の脚がつくとサヨノネイチヤは先行勢を見ながらスッと好位へ。3コーナーから徐々に進出すると直線入り口で内を突き、ヒーローコール、ナンセイホワイトの3頭横並びの叩き合いに。ラスト200メートル付近で抜け出すと楽々と重賞連勝成し遂げた。 陣営にはレース前から自信があった。休み明けはこれまで〈2・1・0・0〉と走るタイプではあったが、「いつもの休み明けよりかなりしっかり仕上げてきました。今までで一番いいデキだと思います」(坂井英調教師)。普段の休み明け追い切り本数4本→6本に変更したことが功を奏した。この1年ですでに重賞4勝目をマークした新進気鋭のトレーナーの策略が着実に実った結果だった。 当レースを含めデビューからの全13戦でサヨノネイチヤとコンビを組んできた西啓太は「道中いいところで運ぶことができて、手応えが良くこれならやれると思いました」と、冷静な表情で振り返り「強い相手になればなるほどこの馬自身も真面目に走ってくれるタイプだと思っているので、これからも楽しみです」と相棒をたたえた。 この先相手関係はさらに上がってくるが、この2戦で倒してきた相手を考えればさらに上のステージでも通用しても不思議はないだろう。 同じ一族には重賞で4勝を挙げ有馬記念でも3年連続3着の実績を残した個性派ナイスネイチャなどがおり、晩成気質の強いファミリー。父ダノンレジェンドは4歳で準オープンを卒業し、6歳の引退レース・JBCスプリントを3馬身差で圧勝したように父系、母系ともにおくてだ。自身はまだ5歳。父が6歳でJpnⅠを制したことを考えればこの馬の本当の充実期はまだ先かもしれない。 坂井英師は「負けられないと思っていましたのでうれしく思います。スタートもまずまずで位置取りもいい位置で安心してみていられました」と、会心の勝利を振り返った。この先は順調ならSⅠ大井記念へ。その結果次第でJpnⅠ帝王賞(6月26日=大井2000メートル)へ向かうプランも指揮官は考えている。通算成績13戦11勝、2着2回とまだ底を見せていない未知の魅力にあふれたサヨノネイチヤがこの先、ダート中距離界に新たな旋風を巻き起こす。
東スポ競馬編集部